僧侶でマンガ家としても活躍する光澤裕顕さんは、ブッダは「悪い人」の特徴を熟知していたと指摘します。なかでも、とても横柄でえらそうな態度を取る人物を感服させ、弟子入りの申し込みまでさせた質問とは――。 何千年もの歳月を経て残った言葉 人間関係に関する悩みは根深いものがあります。それを裏付けるように、ブッダの言葉にも他者との交わりに関する言葉がいくつも残っています。 今日残っているブッダの言葉はブッダ自身が書き残したものではありません。ブッダの死後、弟子たちが集まって文字に起こしたものです。 これが「お経」です。 漢文に訳されたお経には「如是我聞(にょぜがもん)」という定型句で始まるものがありますが、これは「私は(ブッダから)こう聞いた」という意味です。弟子たちが、師との大切な思い出を丁寧に記録している姿が想像できますね。 もちろん、当時はボイスレコーダーなんてありませんから、頼れるのは弟子一