2012年の国民年金法改正による年金減額は生存権や財産権の侵害で違憲として、兵庫県の受給者ら95人が国の減額決定処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は15日、受給者側の上告を棄却した。年金減額を「合憲」とし、受給者側の敗訴とした一、二審判決が確定した。 裁判官4人の全員一致の意見。法改正について「年金の財政的基盤の悪化を防ぎ、制度の持続可能性を確保する観点から不合理とはいえない」と判断した。 各地で起こされた同種訴訟では初の最高裁判決。既に出された他の一、二審判決も全て受給者側が敗訴し、結論が維持される見通しとなった。 第2小法廷は、年金の特例水準について「当初から将来的な解消が予定されていた」と指摘。解消しなければ少子高齢化が進む中で現役世代に重い保険料の負担を課すなどと述べ、法改正は「不合理とは言えず、国の裁量権の逸脱や乱用はない」と結論付けた。