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ブックマーク / anime.eiga.com (37)

  • 尾崎隆晴監督、黒田洋介、倉田英之「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」「ゴブリンスレイヤー」スタッフ対談

    ――なるほど、「昭和」感ですか。 尾崎 それで実際に倉田さん、黒田さんと会って話してみたら、まさに狙い通りだったなと。打ち合わせのとき、言葉が少なくて済むんですよね。「あの時代の、あの感覚の、あれで」と、簡単に説明したら、もうニュアンスが通じる(笑)。 ――共通感覚があるわけですね。 尾崎 そうなんです。今の時代ならではのまったく新しいアプローチでアニメ化するよりも、どちらの作品もこの世代ならではのオタク話で攻めたらいいんじゃないか、と考えた結果のスタッフィングでした。 倉田英之(以下、倉田) 2作品ともオタクの好きなものが山盛りですからね。っていうか、「BASTARD!!」なんて、日のアニメにおける「ファンタジー」というジャンルの、原点にかなり近い作品だと思うわけです。 黒田 そうですね。僕、「ダーククリスタル」って映画が好きで。 尾崎 ああ、はいはい。名作ですよね。 黒田 あれで今で

    尾崎隆晴監督、黒田洋介、倉田英之「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」「ゴブリンスレイヤー」スタッフ対談
  • 【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第47回 「アリスとテレスのまぼろし工場」から考える「オリジナル」の本質

    ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 氷川竜介の「アニメに歴史あり」 > 【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第47回 「アリスとテレスのまぼろし工場」から考える「オリジナル」の質 岡田麿里原作・脚・監督の新作映画「アリスとテレスのまぼろし工場」が9月15日から公開される。MAPPA初の劇場オリジナル作品で、同監督の前作「さよならの朝に約束の花をかざろう」に続く個性的な作風である。中島みゆきが主題歌「心音(しんおん)」を提供したことも画期的で、プレスシートによると台を読み、岡田麿里に惚れ込んで書き下ろした曲だとのこと。そんな作家同士の響き合いも含め、特殊な映画になった気がしている。 筆者は試写会で拝見したとき、なんとも不思議で持てあますような心境になった。ストーリーに密着した美麗な描写の数々はアニメでなければ不可能な情緒をたたえているし、どこがどう心に作用したか数えあげればキ

    【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第47回 「アリスとテレスのまぼろし工場」から考える「オリジナル」の本質
  • 【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第42回 「空の大怪獣ラドン」3原色素材による再現性向上

    旧作の4Kデジタルリマスターが、着々と進んでいる。銀塩によるフォトケミカルの記録には、過去考えられていた以上の情報量が潜んでいた。またスキャン、補正技術の向上が進んだため、来あるべき姿に復元される古典も少なくない。 そして2022年12月16日から「午前十時の映画祭12」では、日初のカラー怪獣映画「空の大怪獣ラドン」(1956)、その4Kデジタルリマスター版が上映される。このリマスターにはオリジナルネガに加え、新たな「3原色素材(白黒ポジフィルム)」が適用され、「色彩の再現性」で驚くべき修復効果が得られて、大きな話題を呼んでいる。 先般、東京現像所におけるその修復プロセス見学の機会をいただいた。今回は「そもそも色とは何か」の問題提起をこめつつ、その意味性をアニメの歴史も絡めつつ解説してみたい。 「3原色保存」の何がすごいのか。実はフィルム、印刷、あるいは絵画や建築さえも、あらゆる色素は

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    yogasa 2023/08/30
  • 【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第46回 “残る映画”ってなんだろう?「シン・仮面ライダー」配信開始に寄せて

    ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 氷川竜介の「アニメに歴史あり」 > 【氷川竜介の「アニメに歴史あり」】第46回 “残る映画”ってなんだろう?「シン・仮面ライダー」配信開始に寄せて 庵野秀明監督の映画「シン・仮面ライダー」が、Amazon Prime Videoにて7月21日から配信される。3月18日に公開開始、6月4日に主な劇場での上映を終了したばかりであるものの、配信ならではの価値が付加されるのでは、と期待している。 もちろん劇場映画だから、映画館の鑑賞が基である。映像や音響も、暗闇の中で光と音に集中することを前提に作られている。しかしながら作の場合、1971年のテレビシリーズが原点であり、怪人単位でエピソードを積んでいる構造があるから、分割視聴も可能となっている(実際にクモオーグ編を切り出してテレビ放送、先行配信もされた)。 落ち着いた家庭内の視聴環境も、優位に作動

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    yogasa 2023/07/21
    映画の30回だの60回だののリピート、飽きとか金銭以上に時間的余裕があって羨ましい限り。
  • 「君たちはどう生きるか」分かっていることまとめ ジブリ単独出資、「シン・エヴァ」に内定していた作画監督

    ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > アニメハック編集部コラム > 「君たちはどう生きるか」分かっていることまとめ ジブリ単独出資、「シン・エヴァ」に内定していた作画監督 宮崎駿監督によるスタジオジブリの新作「君たちはどう生きるか」が、いよいよ今週金曜の7月14日から公開されます。 同作は公開日とタイトル、鳥のような絵が描かれたポスタービジュアルのみが発表。キャストやスタッフなどの情報は未公表で、映画館での特報や予告はおろか、テレビCMや新聞広告も公開前には出さないことをスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが明言しています。イベントや取材での鈴木プロデューサーの発言によって結果的に“宣伝をしない宣伝”になっている格好で、ここまで情報をださないまま公開に突入する大作映画は異例中の異例です。 そんな「君たちはどう生きるか」について、公開3日前の現時点で分かっていることをまとめました

    「君たちはどう生きるか」分かっていることまとめ ジブリ単独出資、「シン・エヴァ」に内定していた作画監督
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    yogasa 2023/07/12
    タイトルだけ持ってきましたみたいなヤツ、昔はよかったかも知れんけど今は検索エンジンの結果乗っ取るような形にしかならんから逆に元のヤツ殺すことになってるよね。何故タイトルだけパクってくるのか
  • 【編集Gのサブカル本棚】第15回 「原作通り」の歩き方

    アニメ化もされた久米田康治氏の漫画「さよなら絶望先生」に「原作通り」というネタがある。原作のある映画がつまらないと叩かれている監督が、「原作通りだから!」と言い訳しながら「原作通り」という名前の路地に逃げこむというものだ。センシティブなところを突いていく「絶望先生」らしいエピソードで、「原作通りから大きくはずれると大批判を浴びる事が多いのです!」という発言もでてくる。そうしたネタになるぐらい、原作物の映像化が原作にどれぐらい忠実であるかを作り手も受け手も気にするようになってきた。 劇場アニメやテレビアニメの分野で筆者が見てきた範囲で言うと、原作に忠実と言われるかどうかは尺の問題が大きいように思う。劇場アニメであれば2時間前後、テレビアニメであれば1話30分×1クールないし数クールという限られた時間で、原作のどこまでを描くのか。酷評される作品の多くはその配分に無理があって、原作のストーリーを

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    yogasa 2022/10/16
  • 梶裕貴が多彩な声色で「チンアナゴ」を連呼する「すみだ水族館」PR映像公開

    11月11日「チンアナゴの日」を記念して、東京・すみだ水族館のYouTubeチャンネルで「チンアナゴあだ名チャレンジ」スペシャル動画が公開された。 動画では、梶裕貴がチンアナゴの動きにあわせてコミカルな声やダンディな声など様々な声色で「チンアナゴ」と連呼している様子を聴くことができ、最後に「個性いっぱいのチンアナゴたちにあだ名をつけてくれませんか?」と呼びかけている。 すみだ水族館では、館内とオンラインで「チンアナゴあだ名チャレンジ」のほか、11月11日午後10時から行われる配信イベント「チンアナゴとねむリウム」(チケット価格100円)などが実施される。

    梶裕貴が多彩な声色で「チンアナゴ」を連呼する「すみだ水族館」PR映像公開
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    yogasa 2022/07/23
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメスタジオにTBSが25億円投資の理由

    アニメビジネスの気になるニュースが年初から伝わってきた。TBSホールディングス(以下、TBS)の社長が新年挨拶でアニメ事業を3つの主要プロジェクトのひとつに挙げ、このなかでアニメ制作子会社Seven Arcsに25億円の人材・デジタル投資をすると発言したのだ。 Seven Arcsは最近では「ブルーピリオド」や「トニカクカワイイ」を制作する中堅のアニメ制作会社である。セブンアークスグループがTBSの完全子会社になったのは2017年12月、年間売上高は数億円だった。現在も番組制作は年数ペースと規模はあまり変わりないから、年間売上高の数倍規模が投資されることになる。 昨今、テレビ局のアニメ事業進出がトレンドとなっている。アニメ事業部門の設立や拡張が相次ぐし、製作出資の強化も目立つ。映像視聴がテレビから配信に広がるなかで、生き残りを求めた多角化戦略の一環である。 このなかでアニメが注目されるの

    【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメスタジオにTBSが25億円投資の理由
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】コロナ禍が加速させたアニメ業界激変 2021年10大ニュース

    いまだ沈静とはいかないが、2021年のアニメ業界ではコロナ禍を前提にした対応が進んでいる。先頃、日動画協会が発表をした20年の世界の日アニメ市場は11年ぶりにマイナスとなったが、21年はより明るい1年になったのでないだろうか。 しかし明るさを感じる分野や企業がある一方で、依然厳しい状況にあるところも多い。それは国内・海外のアニメ業界が“激動”の真っただ中にいるためだ。変化自体は10年代にはじまっているのだが、コロナ禍がそれを加速化した。激動が追い風だったか逆風なのかは、立たされた場所によって違ってみえる。様々な景況感の違いも、ここから生まれる。 そんな業界の状況を背景に、21年にアニメ業界に何があったのか、ベスト10形式でまとめてみた。1年の終わりに振り返ってみたい。 【2021年アニメビジネス10大ニュース】 1. 世界の日アニメ市場11年ぶりにマイナス 2. 新型コロナ感染症の影

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    yogasa 2022/01/01
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】ライバルになるか?変わる中国産アニメ事情

    「羅小黒戦記」日版ポスター (C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd イメージを拡大 「中国のアニメ、最近すごいですね」 「日のアニメは中国に抜かれるんですか?」 最近、中国アニメと中国市場について聞かれることが増えている。映画「羅小黒戦記」や「天官賜福」といった中国産2Dアニメが日進出し、確かな評価を得ていることも理由だろう。 純粋に中国での2Dアニメ制作の成長に驚愕する人がいる一方で、日海外で好調とされるアニメでも中国に抜かれて滅びるんだとセンセーショナルな話題を期待する向きもある。いずれにしろ中国は今や日アニメの巨大市場であるから、その動向は気になる。日アニメは中国で、そして世界で生き残ることができるのだろうか? 中国ビジネス全盛期は去ったあと ビジネス面に限れば、2021年現在、日アニメは中国で厳しい立場にある。ひと昔前、10年代半ばであれば、中

    【数土直志の「月刊アニメビジネス」】ライバルになるか?変わる中国産アニメ事情
  • 【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第36回 「スーパーカブ」で日常系アニメの歴史に思いを馳せる

    ひところ「日常系」なんて言葉がアニメファンの会話を賑わせたことがありましたが、最近はそんなでもないですよね。もちろん、今でもそうカテゴリー分けされるようなアニメは作られ続けていますが。 この言葉が強いインパクトを持ったのは、ごく大雑把にまとめるとこんな感じかと。戦争などの大状況を背景に、「愛とは、平和とは、人が生きるとは、一体どういうことなのだろうか?」と壮大なテーマを語る作品の方が高尚であり、優れているのだ……そんなものの見方は、今も昔も根強くあります。限界状況にこそ人間の質があらわれるといった思想が、その根底にはあるんでしょう。それに対して、等身大の世界で描かれる穏やかなコミュニケーションにこそ人生の真実があると考える人がいます。日々の営みの中にある何気ない感情の動きを拾い上げることこそが、人間の質をより深く描き出すということなのだ……と。どちらも一面の真実があると思いますけど、と

    【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第36回 「スーパーカブ」で日常系アニメの歴史に思いを馳せる
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    yogasa 2021/05/21
  • 【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第35回 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が終わっても人生は続く

    ※編集部注:映画編鑑賞後に読むことをお勧めします 弟子の的川泰宣によれば、「日の宇宙開発・ロケット開発の父」と呼ばれる糸川英夫は生前、「独創力を発揮するための三条件」を以下のように語っていたという(※)。「一度決心したことは、石にしがみついてでもやり遂げる強い意志」を持つこと、「過去にどんな人がいて、何をやったかを徹底的に学習」すること、そして、独創的な仕事が埋もれないように、「他の人とのネットワークをしっかり築いてよい関係を作っておくこと」。読んだ瞬間、ひとりの人物を思い浮かべた。庵野秀明だ。 前作「Q」から8年以上の時を経て公開された、シリーズ完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。新劇場版プロジェクトの始動からは、およそ14年になる。最初のテレビシリーズからカウントすれば、足掛け25年。テレビシリーズの準備期間もカウントすれば、ほぼ半生をかけたプロジェクトだ。 完成した映像

    【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第35回 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が終わっても人生は続く
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメの世界企業登場か、拡大続けるアニプレックスの挑戦

    ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 数土直志の「月刊アニメビジネス」 > 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメの世界企業登場か、拡大続けるアニプレックスの挑戦 ■売上高2000億円超、日アニメ巨大グループ 海外で日アニメの人気とビジネスが、さらに拡大している。日動画協会の調べでは2010年頃に2000億円台だった海外の日アニメのユーザー市場は、18年に1兆円を超えた。こうした状況で日アニメの世界企業が生まれつつある。 その筆頭がアニプレックスだ。もともとはDVDといったアニメパッケージのメーカーだが、現在は制作スタジオの運営、スマホアプリゲーム音楽映画配給やグッズ制作・販売などに次々と進出している。 アニプレックスとその関連会社の個別売上高は、ソニーの子会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SMJP)のさらに子会社にあたるため開示されていない。それでも

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    yogasa 2021/03/03
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメが席巻、2019年ヒット映画の仕組み

    邦画も洋画も、上位に並ぶのはアニメーション 1月28日に日映画製作者連盟(映連)から2019年の映画興行成績が発表され、その作品別上位にアニメ作品が占めた。近年のアニメの勢いを感じさせるものだ。邦画興行1位は「天気の子」(140.6億円)、2位は「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」(93.7億円)、4位「ONE PIECE STAMPEDE」(55.5億円)、5位「ドラえもん のび太の月面探査記」(50.2億円)と上位5タイトルのうち4つがアニメと、ほぼ独占状態。 洋画でもアニメーションが強い。最もヒットしたのは「アナと雪の女王2」(127.9億円)、3位に「トイ・ストーリー4」(100.9億円)。2位の「アラジン」(121.6億円)は2Dアニメーションの大ヒット作を実写に、4位の「ライオン・キング」(66.7億円)はCGに置き換えたものである。上位4作全てがアニメーション関連と言って

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  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメ映像ソフトの今後 配信が奪ったレンタル需要、個人向け販売の変化

    ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 数土直志の「月刊アニメビジネス」 > 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】アニメ映像ソフトの今後 配信が奪ったレンタル需要、個人向け販売の変化 縮小続く、アニメビデオソフト市場の深刻度 国内のアニメーションビデオソフト(DVD、ブルーレイ)の売上げが引き続き縮小している。(一社)映像ソフト協会の発表資料をもとに集計した2019年の国内のアニメーション・ビデオソフト(DVD、ブルーレイ)の市場は443億円、2018年比で5.3%の減少だった。映像ソフト協会の資料で確認できる過去20年で最も少ない。過去最高であった2005年には1388億円の市場があったから、約1/3になる。 ただアニメーションと言っても、いろいろある。映像ソフト協会は、アニメーションを「日のアニメーション(一般向け)」、「日の子供向け(アニメーション)」、「海外のアニメーシ

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    yogasa 2020/07/22
  • 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】「新型コロナ」以後のアニメ業界の“今”と“これから”

    昨年暮れ中国で確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が、世界規模で社会・経済・文化に影響を与えている。これは日アニメ業界も例外でない。2月からの関連イベントやライブの中止から始まり、映画公開の延期、ここにきてスタジオの一時閉鎖やテレビアニメの放送延期など、より範囲が広がっている。 ■意外に影響がでなかった中国の都市封鎖 国内アニメ業界における新型コロナの影響と対応は、これまでのところ主に3段階で進んできた。最初は、武漢を中心とした中国での大流行である。1月終わりから2月の前半の時期だ。この時点での懸念は国内というよりも、中国の都市封鎖におけるアニメ制作作業の遅れへの懸念だった。 アニメ制作はテレビシリーズ1タイトル、劇場映画1に、数百人から1000人と実写映画テレビ番組に比べて遥かに多くのスタッフを必要とする。これを支えるためのグローバルネットワークの仕組みが築

    【数土直志の「月刊アニメビジネス」】「新型コロナ」以後のアニメ業界の“今”と“これから”
  • 劇場版「Gレコ l」富野由悠季が語る“アニメの力”と新たな“革命論”

    11月29日から2週間限定上映される「劇場版 Gのレコンギスタ l 行け!コア・ファイター」。「機動戦士ガンダム」の原作者である富野由悠季が満を持して送る最新作は、2014年に放送されたテレビシリーズ「Gのレコンギスタ」に新規映像を追加した再構築版で、全5部作の口火を切る第1部となる。約5年の歳月を経て、富野総監督は「G-レコ」を再びどこへ導こうとしているのだろうか。その真意をたずねた。(取材・文/黒峰澄一) ――富野監督は「G-レコ」が、テレビシリーズの放送当時から、子どもたちに向けた作品だと言っていました。劇場版「G-レコ」は、より子どもたちにわかりやすくという意図で作られたのでしょうか。 富野:もちろんそうです。ですが、それはちょっと違いまして、映画というものは、もともとそのように作られていなければいけないのだけれども、テレビ版はそうではなかったという反省がありました。「映画としてお

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  • 【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第19回 テレビ再編集映画の変遷と時代性

    富野由悠季監督の最新作「劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ l 行け!コア・ファイター」が11月29日より2週間限定上映される。テレビシリーズ終了時(2015年3月)から構想が聞こえていた、待望の作品である。「再編集映画」は富野監督の得意ワザではあるが、物語構成や語り口ふくめて見直し、全5部作でリリースする点に驚いた。テレビ版は全26話だから、かなりの物量をカットせず入れられる長さであり、もはや「総集編(ダイジェスト)」ではないということになる。この新しさを考えるためには、「テレビアニメの劇場公開」というスタイルの歴史的確認が必要だ。 最初はやはり初の30分テレビシリーズ「鉄腕アトム」であった。放送2年目の1964年7月に数話をセレクトして再編集し、劇場映画「鉄腕アトム 宇宙の勇者」として日活配給により夏休み興行となった。ほぼ同時期に東映では「まんが大行進」と銘打ち、「エイトマン」「鉄人2

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  • 【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第20回 「天気の子」の〈若者〉と〈中年男性〉

    お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。若干今更ムードですけれども「天気の子」についてちょっと書きましょう。 新海誠監督の前作「君の名は。」には、公開時に今ひとつノレなかったワタクシですが、こちらは楽しめました。いい作品です。あらゆる意味において、2019年を生きる若者の「今」を切り取ろうとしている。精緻に描き込まれた背景美術しかり、貧しさへの向き合い方しかり。特に後者に関しては、功成り名を遂げた作家があそこまで若者の貧しさ――しかも、彼らにとってはそれが普通の日常であり、「貧しさ」だとは感じていない――の感覚を掬(すく)い上げていることには、感じ入るものがありました。若い作家であれば皮膚感覚で表現できるものでしょうが、もはや新海監督はそうした立場にはない。おそらくは入念なリサーチから来ているものではないでしょうか。 涙腺をグッと刺激されたのが、ラブホテルでの一幕です。最悪の状況

    【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第20回 「天気の子」の〈若者〉と〈中年男性〉
  • 「天気の子」公開3日間で興収16.4億の大ヒットスタート 「君の名は。」対比で128.6%

    新海誠監督の最新作「天気の子」が、大ヒットスタートを切った。7月19日に全国359館448スクリーンで封切られ、週末3日間で観客動員115万9020人、興行収入16億4380万9400円を記録。これは、動員1928万人、興収250.3億円の「君の名は。」対比で128.6%と上回っており、夏休み興行の主役に躍り出た。 「君の名は。」以来、3年ぶりとなる新海監督の長編アニメーションである今作は、天候の調和が狂っていく時代に、離島から東京にやって来た家出少年の帆高(醍醐虎汰朗)と、「祈るだけで空を晴れにできる」不思議な力を持つ少女・陽菜(森七菜)が運命に翻ろうされながら、自らの生き方を選択する姿を描く。「君の名は。」に続きロックバンド「RADWIMPS」が劇伴を担当。「愛にできることはまだあるかい」をはじめ主題歌5曲を提供したことでも大きな話題を呼んだ。 新海監督ほか製作サイドは直前まで仕上げの

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