川崎重工業(神戸市中央区)は21日、神戸工場(同)で製造した商船向け大型エンジンで、検査データの改ざんが発覚したと発表した。2000年以降に製造した673台の全てで、窒素酸化物(NOx)排出量に関する不正が確認された。同社は第三者による特別調査委員会を近く立ち上げる。国土交通省は対象エンジンの製造拠点である同工場に22日に立ち入り調査をする。 同社によると、IHIと日立造船の各子会社による同様の不正を受けて、国交省が要請した社内調査で発覚した。同工場でエンジンを試運転した際、燃料消費率を実際とは異なる数値に書き換えていたという。取引先の仕様に基づく許容値に収めたり、各種データのばらつきを抑えたりするのが目的だった。NOx排出量に影響を与えた可能性があり、影響の程度を追加調査で確認する。 673台のエンジンは、自社を含む造船会社が建造した商船に搭載され、96%に当たる646台が外国籍の船向け