13日の金曜日の時点では、ジュネーブでの対ロシア交渉に参加していたジョン・ケリー国務長官は「ロシアとの第一回交渉は順調だった」が、一旦これで区切りとするような声明を出していました。ですが、翌日の14日の土曜日には、ケリー長官はまだジュネーブにいたのです。それどころか、ロシアのラブロフ外相と共同記者会見を行って「合意が成立した」と述べ、TVでは握手のシーンまで流れたのです。 サプライズの演出としては見事でしたが、事態が余りにも急展開したことで評価はバラバラです。とりあえず、この合意に至る過程を簡単に再確認しておくと、 (1)8月29日の英国議会の「攻撃案否決」とキャメロン首相の「この決議に従う」という発言を受けて、オバマも「対シリア軍事行動に関しては議会の意向を聞く」と言ったものの、9月7日(土)から8日(日)にかけては、議会での議決はほぼ絶望的な状況に。 (2)それでも予定されていた10日