京都の川端道喜(かわばたどうき)。和菓子好きなら、この店名を聞いたら、正座してしまいたくなる、はずである。 なにせ創業が室町時代末期。一子相伝で今も粽(ちまき)を作り続けている。現在は十六代目。「御所」とのつながりは虎屋以上かもしれない。 暖簾を広げないという意味ではこちらの方が「京都」だと思う。 「ちまき」といってもここの粽は少々違う。もち米とかうるち米ではない。吉野葛(よしのくず)と上白糖だけを使い、驚くほどの手間ひまをかけて練り上げ、笹の葉に包んで蒸し上げる。作り方は室町時代とほとんど同じ、というから驚きはさらに深まる。 京都に行ったとき、うっかり予約してなかったので、買いそびれてしまった。 ところが、である。救う神あり。京都の畏友が、お土産に持って来てくれたのだ。 粽は賞味期限の関係もあり、代わりに「葛湯・おしるこ詰合せ」(3個+2個 税込み1450円)だった。それでも凄い、と思う