世界中で繰り広げられるレイプ事件の構造 レイプとは、加害者が同情され、被害者が非難される犯罪である。 今年の8月、群馬県前橋市で、映画撮影中だった俳優の高畑裕太が、滞在していたホテルの従業員をレイプしたとして逮捕された。事件は示談で解決したが、その後、高畑の弁護士は、「違法性の顕著な悪質な事件ではなかった」とする声明を発表した。暴力によるレイプなどではなく、高畑は合意の上でのセックスだと思っていたが、それをあとからくつがえされたのだと強く示唆したのだ。 加害者が合意だと思っていれば――無理やりのセックスだと思っていなかったなら、それはレイプにはならないかもしれない、というのだ。示談交渉には元暴力団関係者がかかわっていたとされ、あたかも高畑は合意のセックスで金を脅し取られた犠牲者であるかのような報道がされる。被害者と加害者はきれいに逆転しているのだ。 それはこの事件に限ったことなのだろうか?
![なぜレイプ事件は被害者と加害者が逆転するのか?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d35b029a3439696c1f111d0418b21dbe7eae45b3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2017%2F01%2Fblogos170112-thumb-780x520-105578.jpg)