人間が身につけると、パワーがアップするロボット「マッスルスーツ」を、東京理科大の小林宏教授らが開発した。約30キロの荷物を簡単に持ち上げられるようになり、高齢者の介護などに活用できるという。ベンチャー企業を通じて年内にも売り出す。同大が27日発表した。 ロボットは、背中に装着した人工筋肉を圧縮空気で収縮させ、腰の動きを補助するしくみ。同様に身につける方式の他社の製品と比べると、構造が簡単でコストが安いという。 すでに介護現場などで試験的に使われており、商品化できると判断してベンチャーを設立した。介護のほか、荷役作業など向けに本格的に売り出す。想定価格は30万~80万円で、当面はリースやレンタルが中心という。小林さんは「将来は介護を受けている高齢者自身も使えるようにして、自立の手助けにつなげたい」と話す。(高山裕喜)