魚食の普及と拡大する世界の水産物消費 2013年、「和食」が自然を尊ぶ日本の伝統的な食文化としてユネスコの無形文化遺産に登録された。和食を支えてきたのが魚食文化である。鮮魚から乾物、発酵物にいたるまで、日本人は昔から魚介類をさまざまに活用してきた。 とはいえ、日本の家庭で魚が日常的に食卓にのぼり始めたのは1950年代からだ。農林水産省が1976年に発表した「食糧需要に関する基礎統計」によると、明治末から大正初期(1911〜15年)にかけて、日本人は魚介類を1年間1人当たり3.3キロしか食べていなかった。正月や祝い事など“ハレ”の日にしか食べなかったのであろう。その後、国力の向上により昭和初期には15キロに増加し、第2次世界大戦中は10キロ前後に低下した。 戦後は、政府が食糧危機対策として漁業振興に力を注いだことと、1950年代後半から「三種の神器」の一つとして電気冷蔵庫が普及したことから、
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