「核兵器のない世界」は「究極の目標」―。多くの市民が原子爆弾に焼き尽くされ人間性を奪われた被爆地広島で、主要7カ国(G7)首脳は核廃絶への意志と責任を事実上放棄しました。議長である岸田文雄首相は18日の日米首脳会談で、いざとなれば核兵器を使用する「核抑止」を正当化するにとどまらず、その一層の強化まで確認。「広島開催」をアピールに利用し、自らの核抑止依存を覆い隠す姿勢は決して許されません。 核の増強を促す 昨年8月、ロシアを含めたすべての核兵器保有国が賛成した核不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書案には、NPT第6条の「核兵器の全廃を達成する明確な約束」の履行が盛り込まれています。この点について、19日に発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」は、6条の義務を果たすようロシア・中国に求めましたが、同じ核保有国であるG7メンバーの米英仏については一切言及していません。しかも、「われ