殺処分対象となる家畜の補償額の算定基準が明らかになった。本誌試算では、補償総額は600億円を超える可能性も。大規模型の農業法人は、補償以前に行き詰まる恐れもある。 「畜産農家の被害額は一体いくらなのか」ーー。宮崎県で発生した口蹄疫の経済的損失。その一端が明らかになってきた。6月2日、宮崎県は口蹄疫のワクチン接種後に殺処分する家畜や感染・感染疑いで殺処分となる家畜の補償額の算定基準を公表した。 血統、遺伝能力などで加算 補償は、家畜の種類に応じて算定する。さらに、牛ならば、血統や繁殖能力、飼育した日数など、細かく評価して金額を決めていく。 例えば、母牛である繁殖雌牛の場合、月齢23~96カ月の基準価格は1頭81万円。これに、3段階に格付けされた血統や、遺伝能力に優れる高等登録牛、妊娠牛などの条件に応じて、金額を加算する。ちなみに、血統の最高ランクでは7万円が加算される。 一方、豚の場合は購入