3月11日の東日本大震災後、政府は復旧・復興のため補正予算を検討している。財政規律を守るには赤字国債を発行しない形で復興財源を確保するのが望ましいが、6月25日に政府の「東日本大震災復興構想会議」がまとめた提言でも、増税を含めた財源確保策が明記できたとは言い難い。 しかし、掘り起こせば今すぐにでも使える「埋蔵金」がある。日本郵政グループの金融機関であるゆうちょ銀行が抱える過大な自己資本だ。日本郵政グループの株式上場が凍結され、ゆうちょ銀の上場が遠のいている今、政府保有株の売却益は当面、得られそうにない。であれば、ゆうちょ銀の株主資本を政府に戻し、復興財源の一部とすべきである。 自己資本比率は74.82% 埋蔵金の規模は6兆円だ。内閣府が試算した東日本大震災による直接的な被害額である16.9兆円の3分の1強を賄える巨額の財源である。 ゆうちょ銀は民営化したとは言え、政府が事実上、100%出資