講談社BIZというブランドから、二、三時間で読める軽いタッチの執筆と編集で作成されているし、実際さらりと読めたのだが、本書「不謹慎な経済学(田中秀臣)」(参照)の読後には少し微妙な思いが残った。しいていうと、「もったいない」という感じだろうか。私が本書の編集に関わっていたら、もっとばっさり切り刻んで一時間で読める本にして、もっと裾野の広い読者へ読ませたいと夢想した。 が、そうすることで田中がためらいながらしか述べることができない重要な部分(湛山の理念など)もまた切り落とされるだろう。どちらがいいのかわからないなと戸惑っていると、明快!教えてダンコーガイ!ではないが、ブログ404 Blog Not Found「不謹慎が不徹底」(参照)に通勤特快高尾行き的な書評が上がっていた。 目次を見ての通り、本書では多彩な話題が取り上げられている。いや、多彩すぎるのだ。そのおかげでどこに焦点が当たっている