今季最長5時間6分、延長十二回ドローになった5月31日の日本ハム-阪神戦(札幌ドーム)。お疲れさんゲームの十二回表に“衝撃発言”は飛び出した。阪神最後の攻撃。一死から金本が左中間二塁打を放つ。テレビ中継のアナウンサーが解説陣に尋ねた。「二塁走者に代走は出さなくてもいいですか?」。 その瞬間、お茶の間の反応をぜひ知りたいと思った。少なくともプレスルームは爆笑が巻き起こったのだ。二塁走者は不滅の世界記録、連続試合フルイニング出場(5日現在1379試合)を継続中の鉄人。代えるはずがない、というのが関係者の常識。そんな話題を出すことすらタブー視されている。だから虎番記者は笑った。 でも、いくら日本ハムファン向けの中継でも、アナウンサー氏はプロだ。もう打順が巡ってこない主砲よりは俊足選手のほうが、と感じてもおかしくない。どんな瞬間も全力疾走が売り物だった不死身の男も、最近は完全にアウトになるケースで