2011/3/1111:49 寄付連鎖を寄付文化創造の契機に 西田亮介 ◇タイガーマスク現象を矮小化する論調◇ 2010年12月25日、群馬県前橋市の児童相談所に、ランドセル10個が届けられた。送り主は分からず、ただ、梶原一騎の人気漫画『タイガーマスク』の主人公「伊達直人」を名乗る人物の手紙が添えられていたのみ。 同様の動きは、岐阜県、沖縄県、静岡県をはじめ全国に波及した。1月15日のNHKニュースによると、1月15日までに全国で1056件を越え、現金、金券あわせて、3240万円の寄付が集まった。また、「伊達直人」のみならず、漫画『明日のジョー』の主人公「矢吹丈」や、「ムスカを愛するVIPPER」という匿名掲示板を想起させるキャラクターの名称を借りた寄付も起きた。これが一連の「タイガーマスク現象」と呼ばれる出来事の概要だ。 この「タイガーマスク現象」、否定的な見解を示す論者が多かった。論調