A41.「宮下文書」、「上記」、「竹内文書」、「秀真伝」などの古史古伝書が神代文字で書かれていることから、漢字渡来以前に使われていたという妄説が存在する。 偽書と言われる「先代旧事本紀」でさえ平安時代の「日本紀私記」に引用されているが、これらの古史古伝書写本の存在が確認できるのは、平田篤胤が「神字日文伝」を著わした国学興隆時代以降である。 共通点として五母音系の神代文字を使用して書かれている点が「先代旧事本紀」よりも価値の低い偽書たる所以で、万葉集にしても八母音系の万葉仮名が使われているのである。 多くの神代文字を見るとハングル文字(朝鮮)、タガラ文字(フィリピン)、カローシュティ文字をはじめとするインド系諸文字に似ており、鎖国以前の朱印船渡航時代にアジア各地から渡来した文物を基に復古神道思想に感化された古社の神官などが神代文字を偽作したもの思われる。 漢字渡来は応神天皇16年(5世紀初頭