カメキチの目 先日、『人びとの自然再生』という2月に出たばかりの岩波新書を読んだ。 この本は、北海道大学の宮内泰介さんという方が自然の再生や保護の問題を、そもそも「自然」とは人間にとって何なのかという原点にまで立ちかえって考えたものだ。 住民の声にていねいに耳をかたむけてきたみずからの具体的な実践例を随所にはさみ、自然という人間が生きている世界、環境の本質みたいなものを誰にもわかリやすく感じさせてくれた。 めったに出あわない良書に出あった気分です。 「人間」という生物をその一部に含む自然。 人間が生き、生活する、社会や政治や経済もそれを舞台や背景として展開する「自然」。 それを通じ(自然をくぐるという一種の迂回路をとおって)、じっくり「社会」や「生活」を見つめなおすのも新たな気づきをもたらしてくれるかもしれないと思い、読んだ。 とにかく、本はとても読みやすかった。新書版という本のコンパクト