企業システムでもカイゼン型開発に取り組んでいくべきである。先進10社の取り組みを「短期サイクルの創出」「役割連携の強化」「ブレ抑制の枠組み」という三つのアプローチに分けて紹介しよう。 (1)短期サイクルの創出 最初に紹介するアプローチは、「短期サイクルの創出」だ。前回で、カイゼン型開発に必要なことの一つを、「改善サイクルが短期間で回る」とした。システムに機能を追加したり変更したりするときに、そのサイクルを極力切り詰めることが、不可欠なのだ。以降でその実践例を紹介する。 <良品計画>MDシステム:1日で要件をまとめ上げる 自社ブランド「無印良品」を展開する良品計画は、2006年12月に再構築したMD(マーチャンダイジング)システムに、各種機能を次々に付加し続けている。例えば新ジャンルの商品を取り扱うときには、その商品に合わせた調達機能や販売計画機能を加えている。 ユニークなのは、そうした機能