東京電力福島第一原発事故の風評被害が続く北茨城市の大津漁港で4日、風評を一掃するため、全魚介類の放射能を測定する実証実験が始まった。大津漁協と、市を支援する企業でつくる「茨城漁業環境研究会」が実施する。魚介類はこれまで切り身にした一部の検体を測定しており、県や関係企業によると、“非破壊検査”で正確な放射能測定に成功すれば、全国で初めてとなる。 測定装置(試作機)は、非鉄金属大手「古河機械金属」(東京都千代田区)が開発した。高密度で放射線エネルギーの吸収に優れた独自のシンチレータ結晶を使って、発泡スチロールのケースに水揚げされた状態の魚介類を入れ、ベルトコンベヤーに乗せて通過させるだけで放射線を光に変えて検知する仕組み。 県が行っているゲルマニウム半導体検出装置による検査は、魚を切り身にした上で30分~1時間かかったが、試作機は切り身にする必要がなく、20キロ・グラムの魚の放射能を15秒程度