200回以上中国に渡航し、同国を「主戦場」としているビジネスマンとして、「中国のトイレはなぜ汚いのか」など、最近は中国関連のコラムを中心に書いてきた。今回は、中国との付き合いから逆に考えたことだが、新年からの両国関係の違和感もあり、「日本人はなぜ交渉力が弱いのか」「なぜ誤解されやすいのか?」について触れてみたい。 中国人の「ビジネス」に対する考え方とは? 私の独断的な考えかもしれないが、日本人は思い込みが激しく発想が一面的で、必ずしも子どもの時からディベート(討論)のテクニックを鍛えられていない。そうしたこともあり、戦略的な思考が十分にできていないことが少なくない。 中国人と渡り合い、世界に通用する交渉力を身に着けるには、自分がどうかという「主観的観念」だけではなく、まず客観的事実を分析する視点が大切だ。最近の日本と中国の関係の悪化を見るにつけても、両国の価値観の違いに、その原因の一つがあ