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  • 「下向き」の想像力について - レジデント初期研修用資料

    頭がいい人が、「上」に向かって想像力を働かせて、それまで誰も考えなかったようなサービスを作る方向と、 同じく頭のいい人が、「世の中には想像を絶する馬鹿がいる」という信念の下に、 カモをコントロールするやり方を模索する方向と、想像力には「上」と「下」みたいな方向性がある。 上向きの想像力が生み出すプロダクトはすばらしいけれど、世の中を回しているのは、 むしろ下向きの想像力なんだと思う。 振り込め詐欺のこと 振り込め詐欺の人達が使う手口はあまりにもあからさまで、どうしてあんなものに大勢が引っかかるのか 不思議でしょうがないけれど、あの人達の秘訣というのは、「たくさんの人に電話をかける」、 それが全てなんだという。 「普通」が好きな、常識的な人達は、たぶん「こんな話に騙される人が世の中にいる」、 そのこと自体を信じられない。信じられないから、そもそもああ言うことをやろうなんて思わない。 振り込め

  • 酒の切れ目は技術の切れ目 - レジデント初期研修用資料

    8年ぐらい昔。技術継承のために飲み屋さんを利用している地域があった。 誰か有名な先生を他の地方から招聘して、「つぼ八」みたいな飲み屋さんを借り切って、 ただひたすらに飲む会。 有名な医師の講演会とか、偉い人のありがたいお話とか、そういうのは抜きにして、 最初はとにかく飲む。県内の各病院の、上の人達が集まって、ただ飲む。 みんなにお酒が行き渡った頃、宴会場にスクリーンが持ち込まれる。 まだ飲んでない若手が入場して、各病院の症例、うまく行かなかった症例だとか、 苦労した症例のスライドを持ち込んで、 酔っぱらった偉い先生がたを前にして、自分の経験を語る。 会場からは、酔っぱらいの容赦のない突っ込みが入る。 「どうしてこういうやりかた試さなかったの?」だとか、 「こんなケースはこうすればいいんだ」とか。忌憚のない、でもみんな酔ってるから「厳密な検証」なんかとは 少し外れた、ベテランの知恵みたいな言

    youranus
    youranus 2008/08/28
    オフィス以外で話すってだけでも随分違う。飲み会ダメ、喫煙室ダメじゃ無理か。
  • みんなの意見で社会が滅ぶ - レジデント初期研修用資料

    うちの地域でも、中学生以下の小児医療が無料になる。来年あたりから決まりになるみたいで、 まだかろうじて生き残っている、小児救急やってる先生がたは、今からもう「終わった」とか言ってる。 夜間の小児科外来は、来る子供のうち9割以上は「軽症」。たいていの子供さんは、 日中の小児科外来が開くまで待っても、大きな問題は生じない。 今はそれでも、「時間外」であることが、わずかながら抑止力にはなっているけれど、 これが「無料」になってしまうと、もう歯止めがかからない。 黒幕はいない たぶん、議員も役所もそんなに馬鹿じゃないから、無料になったら患者が殺到して、 現場が疲弊して、病院が潰れることぐらい、容易に想像できるはず。 「無料化」を推し進める人は、たぶんそうなることを分かっているんだろうけれど、 多数決の原則は、その流れを止められない。 選挙は公約の争い。 誰かが「小児科医療無料化」を打ち出したら、

    youranus
    youranus 2008/07/24
    言い方は悪いが絶対的弱者の権利が強くなると足の引っ張り合いになる。日本ジンバブエ化?
  • 能力のこと - レジデント初期研修用資料

    「激動中国」という番組で、中国の医療が特集されていた。片目を失明してしまった少年が、 網膜のレーザー照射を受けるために700km離れた北京まで出かける必要があって、それには ものすごいお金がかかって、一家が経済的に傾くお話。 番組を作った人達は、高騰する医療費に批判的な、市場化が暴走した医療を問題視する 立ち位置だったけれど、取材を受けていた一家に限れば、問題はむしろ他にあるように見えた。 主人公の子供さんが受けていたのは、たぶんごくありきたりな治療。報道されていたのが全てだったら、 わざわざ北京まで出かけた先の「名医」は、必ずしもすごい技量を発揮していたわけではないし、 子供が受けていた、網膜のレーザー照射にしても、日だったらどこの市中病院にでも普通においてあるような機械。 中国の医療レベルは決して低くなくて、トップクラスは普通に英語をしゃべれるし、医療機器なんかも、 法律の縛りが穏や

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