ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (16)

  • 「うん、知ってた」の陥穽 - himaginary’s diary

    ノアピニオン氏が賞賛し、山形さんやhicksianさんも言及しているが、クルーグマンがアダム・トゥーズ*1の論考にツイッターで噛み付いている。 A somewhat belated response to Adam Tooze's uncharacteristically ill-tempered response to the latest economics Nobel 1/ In large part Tooze is saying that it was all in Bagehot, Minsky and Kindleberger, and that belatedly acknowledging what everyone should have known doesn't deserve celebration. This shows a surprising lack of

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  • 銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「More Guns, More Unintended Consequences: The Effects of Right-to-Carry on Criminal Behavior and Policing in US Cities」で、著者はJohn J. Donohue(スタンフォード大)、Samuel V. Cai(同)、Matthew V. Bondy(同)、Philip J. Cook(デューク大)。 以下はその要旨。 We analyze a sample of 47 major US cities to illuminate the mechanisms that lead Right-to-Carry concealed handgun laws to increase crime. The altered behavior of

    銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary
  • 新貨幣国定主義をISLMの枠組みで解釈してみると - himaginary’s diary

    Nick Roweが新貨幣国定主義(MMT*1)をISLMの枠組みで解釈しようとする興味深い試みを行っている。 彼に言わせれば、多くの理論経済学の論文は数学だらけで見通しが悪いので、(数学の苦手な)彼は、論文の結論からリバースエンジニアリングを行い、モデルを自分なりに再構成するということをしているという。それと同様に、多くのMMTのブログエントリは言葉だらけ*2で見通しが悪いので、やはり彼なりのリバースエンジニアリングを行ってみたのが今回のエントリ、との由。 そのエントリで彼は、MMT版のISLMを提示する前に、オールドケインジアン版、ニューケインジアン版それぞれのISLMを示している。 まず、オールドケインジアンの教科書的なISLMは以下の通り。 ここでは簡単のため期待インフレ率はゼロを仮定し、実質金利と名目金利は等しいものとする。すると、図のIS曲線とLM曲線の交点{r0,Y0}が均衡

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  • イエレンが語る90年代の教訓 - himaginary’s diary

    ブルッキングス研究所の新たな同僚となったイエレンを、FRB議長の先任者だったバーナンキがインタビューしている(H/T Tim Taylor)。 以下はその中で、FRB理事とCEA委員長という2つの重職を歴任した90年代の教訓について問われたイエレンの答え。 I guess I took away two lessons, or that we expounded two particular lessons in that book. One is that Clinton’s first steps, first economic policies, put in place a plan that would lower budget deficits. There had been great concern about out-of-control budget deficits,

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  • なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary

    David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」*1の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を立てている(初出はストライク誌の2013/8/17付記事「On the Phenomenon of Bullshit Jobs」;H/T Mostly Economics)。 以下はその冒頭。 In the year 1930, John Maynard Keynes predicted that technology would have advanced sufficiently by century’s end that countries like Great Britain or the Un

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  • オバマケアは学部生レベル - himaginary’s diary

    マンキューが、Uwe ReinhardtのVOXインタビュー記事にリンクしている。Reinhardtによると、オバマケアの医療保険の取引所(マーケットプレイス)は既に死のスパイラル*1に嵌っており、完全な崩壊に向かっているという。インタビュアー(Sarah Kliff)は、マーケットプレイスを研究している人の中でこの意見は少数派、としつつも、主流派からまったく外れているわけでもない、と解説している。 以下は同記事のReinhardtの発言からの引用。 I always joke about it like this: If you got a bunch of Princeton undergrads to design a health care system, maybe they would come up with an arrangement like the marketpla

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  • カモとしての日本企業の後継 - himaginary’s diary

    Chris Arnadeという人が、元ウォール街トレーダーという視点からギリシャ危機についてThe Atlanticに書いている。(H/T Economist's View)。 以下はその冒頭部。 One of the first lessons I was taught on Wall Street was, “Know who the fool is.” That was the gist of it. The more detailed description, yelled at me repeatedly was, “Know who the fucking idiot with the money is and cram as much toxic shit down their throat as they can take. But be nice to them firs

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  • 不完全競争と実質賃金の停滞 - himaginary’s diary

    昨年末のエントリで、資労働比率、労働生産性、実質賃金の動きが新古典派経済学のパラダイムと合わなくなっていることに対し、スティグリッツがK(生産資)とW(貨幣的な富)との乖離で説明しようとした、というブランコ・ミラノヴィッチのブログ記事を紹介した。そのミラノヴィッチが、今度は同現象についてロバート・ソローが別の観点からの説明を試みたことを報告している(H/T Economist's View)。 以下はその一節。 Bob Solow explored a couple of days ago another possibility. Going back to his own seminal work on the theory of growth, some 60 years ago, Solow asked the following question: why did we ass

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  • 民主的なケインズ主義は可能なのか? - himaginary’s diary

    引き続き、クリス・ディローの企業批判ネタ。表題のエントリ(原題は「Is democratic Keynesianism possible?」)でディローは、カレツキの「完全雇用の政治的側面」から以下の一節を引用している*1。 Under a laissez-faire system the level of employment depends to a great extent on the so-called state of confidence. If this deteriorates, private investment declines, which results in a fall of output and employment..This gives the capitalists a powerful indirect control over governmen

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  • 新古典派経済学者だけが理解している9つのこと - himaginary’s diary

    と題したVox記事でマシュー・イグレシアスが、以下の9項目を挙げている(原題は「9 things only neoclassical economists will understand」;H/T Mostly Economics)。 コブ=ダグラス生産関数 流動性制約 ホドリック=プレスコット・フィルター 動学的確率的一般均衡 リカード=デ・ヴィティ=バローの等価定理 IS-LMモデル マイケル・ウッドフォードの教科書 モジリアニ=ミラー ヘクシャー=オーリンの定理 これに対しBloomberg Viewでノアピニオン氏が解説を加えたところ、最後のヘクシャー=オーリンの定理の解説に対しタイラー・コーエンから物言いがついた。 以下はコーエンが指摘した4点。 ノアピニオン氏は「日米など工業国の生産は資集約的になる傾向にある」と書いたが、ヘクシャー=オーリンの定理は輸出が相対的に資集約的に

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  • 日銀預け金はどこから振り向けられたのか? - himaginary’s diary

    齊藤誠氏の東洋経済論説に高橋洋一氏が夕刊フジの論説で噛みついた。一方、齊藤氏は、高橋氏への直接の反論は避けつつも、自HP上のメモという形で自らの考え方の背景を説明している。 齊藤氏は、13年度の異次元緩和による銀行の日銀預け金の増加が、同期間の銀行のバランスシートの増加、就中、銀行の資金調達源である預金の増加を上回っていることを問題視している。このことは、後者の資金調達によって賄うはずだった他の要因を異次元緩和がクラウドアウト*1してしまったことを意味するのではないか、それは信用創造機能の低下を意味するのではないか、というのが氏の問題意識である。 具体的な数字として齊藤氏は、資金循環統計の預金取扱機関から以下の数字を示している。 (資産サイド) 増減額 日銀預け金 69.2 兆円 国庫短期証券 △16.5 兆円 国債・財投債 △27.2 兆円 (負債サイド) 増減額 預金 31.0 兆円

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  • スティグリッツのTPP批判 - himaginary’s diary

    Democracy Now!のインタビューで、スティグリッツがTPPを批判している(H/T Economist's View)。スティグリッツは以前からこの記事などでTPP批判を展開しているが、今回のインタビューで改めて自分の論点をまとめている。 The trade agreements of the past were mainly focused on lowering tariffs. And as tariffs came down, you got more intense competition. Consumers benefited from access to goods at lower prices. Tariffs are pretty low now. And the areas where they are not low are what we call se

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  • スティグリッツ経済学を生み出したもの - himaginary’s diary

    昨日紹介した論説の冒頭でスティグリッツは、自らの出身地の状況と市場中心主義的な経済学との落差が、市場の欠陥に焦点を当てた経済学を生み出すきっかけになった、と語っている。 I hadn’t realized when I was growing up in Gary, Indiana, an industrial town on the southern shore of Lake Michigan plagued by discrimination, poverty and bouts of high unemployment, that I was living in the golden era of capitalism. ... Smokestacks poured poisons into the air. Periodic layoffs left many families

    スティグリッツ経済学を生み出したもの - himaginary’s diary
  • ボールズ「格差は資源の無駄を生む」 - himaginary’s diary

    昨日紹介したサンタフェ・リポーター紙のサミュエル・ボールズに関する記事から、今度はEconomist's Viewが抜粋した部分を以下に訳してみる。 不平等は米国がナンバー1であるための対価に過ぎないのでは? 「それはほぼ確実に間違いです」とボールズはSFRに語る。「20年以上前は、大抵の経済学者は、不平等は進歩という車輪の潤滑油に過ぎないと考えていました。しかし今は、この件の実証研究を行なう人の間では、車輪に挟まった砂利と見なす考えが圧倒的多数派です。」・・・ボールズはその核心的理由を次のように述べる。「不平等は軋轢を生み、軋轢は資源の無駄使いを生むのです。」 つまり、非常に不平等な社会では、社会の上層にいる人々は、下層の人々を従わせ生産に従事させるために、多大な時間とエネルギーを使わねばならないのだ。 不平等は、ボールズが「守衛仕事」と呼ぶものを過剰に生み出す。そのことに関する2007

  • バーナンキの背理法・ニューマネタリストの見方 - himaginary’s diary

    Economist's Viewや石町日記さんが紹介しているように、Stephen Williamsonが改めて名目GDP目標への懐疑論を表明している(以前の彼の懐疑論についてはこちらを参照)。それにサムナーが反論し、さらにそれにWilliamsonが反論したが、そのコメント欄で、いわゆるバーナンキの背理法(その用語自体は「和製英語」なのでもちろん使われていないが…)を巡るやり取りがあった。Williamsonのこのテーマに関する見解を知るのに良いので、以下にそのやり取りを訳出してみる。 JSR July 3, 2012 1:52 PM 2つばかり質問。 もし量的緩和が(いかなる規模のものであれ)物価を上昇させることは無いと思っておられるならば、FRBが(理論上は)15兆ドル規模の米国の債務をすべて買い戻せるということでしょうか? そうなると、FRBは、インフレを一切もたらすこと無しに、

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  • ワイルダー「与謝野は少し頭がおかしい。日本に住んでいなくて良かった」 - himaginary’s diary

    そこまで言うか、という感じだが、女性エコノミストブロガーのレベッカ・ワイルダーがFTの記事を引用してそう書いている。 彼女は、与謝野経済財政担当相の 日の政府債務残高は大きいので、刹那的な享楽のために有効需要を創出するのは賢明ではない。 という発言を取り上げ、頑固な日政治家はデフレの時代から何も学んでいない、これでは日経済は苦しむことになるだろう、と痛烈に批判している。 なお、ワイルダー氏は、最初は誤って (欧米の財政赤字拡大は制御不能のインフレを招く恐れがあるが)日はそこまで馬鹿ではない。日はそこまで自棄になっていない。 という田谷禎三氏の発言を与謝野氏のものとしていたが、小生の指摘で修正している。しかし、良く考えてみれば、こういう発言をする人が日銀の審議委員だったことの方が怖いことかもしれない。 それに対し、同じFT記事の中で、元日銀理事の緒方四十郎氏*1が積極財政論を唱え

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