本作を原作とした短編アニメーション「忘れたフリをして」が船場センタービル50周年記念特設サイトにて公開中。声と主題歌はコムアイ(水曜日のカンパネラ)が担当、アニメーションの監督は大川原亮、アニメーションスタジオはCALF、制作はCEKAI。
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電話・睡眠・死都・調布(特別対談・前編) 取材・文=松永良平 夏の終わりに、こんなツイートをした。 〈斎藤潤一郎『死都調布』や、来月出る川勝徳重『電話・睡眠・音楽』といったコミックについて、音楽メディアで取材したり、記事が書けたりしたらいいし、やってみたいなあ。〉 誰に向けたわけでもない、思いあまったライターの自爆ツイートのはずだったのに、不思議なもので、トーチ編集部からすぐに「ふたり(斎藤・川勝)の対談をしませんか?」というご依頼が届いた。マジですか! そもそも『死都調布』を描いた斎藤潤一郎という漫画家は、多くの読者にとってまったく謎の人だろう。トーチwebに連載をしていたわけだし、ツイッターのアカウントもあるし、雑誌『架空』で作品を発表したり、表紙を描いたりしていた。こないだは銀座の蔦屋書店で『死都調布』の原画展だってあったではないか。しかし、ハードボイルドでジャンクかつ猛烈にインディ
行けたら行きます 17 植本一子 喪主挨拶では、石田さんの最期の様子について話そうと思った。 自宅療養となってからの数ヶ月間、調子のいい日はしょっちゅうレコード屋へ出かけていたようで、それは昔から変わらないことだったが、ある日銀行からデビットカードが届いた。デビットカードはクレジットカードと違って、その場で銀行から引き落とされる仕組みになっている。財布を持たない人だったが、お金を引き出しに行く体力もなかったのだろう。パスモも1万円単位でチャージしていて、小銭をポケットに入れるのも億劫だったのかもしれない。本当にガリガリに痩せていた。 石田さんの分の確定申告で、その年にどれくらい使ったかがレシートと通帳を見ればわかる。2年前に癌が発覚してから常勤の仕事は辞めたものの、去年は闘病しながらも本を1冊出すことができた。その印税のまとまった金額が秋口に入っていたのだが、それを年末までにほとんど使って
行けたら行きます 15 植本一子 もう春も過ぎようとしている。 石田さんが死んだのは本当に寒い時期で、確かこの冬2度目の大雪が降った頃だった。通夜の夜なんか吹雪になってしまい、狭い葬儀場に入りきれなかった人で外に行列ができたと聞いた。(その節は本当にありがとうございました) 先日久しぶりに会った友人から「形見はあるの?」と聞かれた。 今月発売の「文藝」で再開した連載で書いた通り、私は葬儀の翌日から石田さんの部屋の片付けを始めた。早いと言われればそれもそうなのだが、石田さんの病気が発覚してからの1年半という時間をかけて、私自身は心の準備をしていたように思う。また、片付けることでその作業もいよいよ終盤、という感じがあった。本は古本屋の友人に取りに来てもらい、CDとレコードは石田さんの音楽仲間の人たちに協力してもらって、レコードショップに売るものと、石田さんのファンの手に届くようにイベントで売っ
老いを追う 5 〜年寄りの歴史〜 畑中章宏 第二章 翁の正体 2 だれもが知っているように、おとぎ話の「桃太郎」にも老夫婦が出てくる。この二人も『竹取物語』の翁と嫗と同じく、子どもがいなかった。 桃太郎がどういったいきさつで授けられたかについては、じつは時代による変化がある。 現在よく知られるのは、川で洗濯していたおばあさんが、川上から流れてきた大きな桃を家に持ち帰り、食べようと思ってその桃を割ったら、中から元気な男の子が飛び出したというものである。しかし、古く伝わる『御伽草子』ではこんなふうではなかった。 おばあさんは川に流れてきた二つの大きな桃を持ち帰った。その日見た夢に氏神様が出てきて、桃を食べたら必ず子どもを授かるといった。夫婦がお告げに従って桃を食べると、たちまちのうちに若返り、おばあさんは身ごもり男の子を産んだ……。 江戸時代までの「桃太郎」話のほとんどが、このようにおばあさん
行けたら行きます 9 植本一子 先週の日曜に渋谷のライブハウスでMETEO NIGHTというフェスがあり、石田さんがサプライズでステージに出ると言い出した。もはやそんなことは珍しく、ならばと娘たちも連れて見に行くことに。ストラグルフォープライドという友人のバンドの出番の初めに、呼び込みをするらしい。数年前に出した「MASTER」というECDのベストアルバムの一曲目が「次はECDでーす」というストラグルのライブ音源を使ったものなのだが、それの逆をやってほしいとストラグルの今里さんに頼まれたのだという。 出番ギリギリの時間を逆算し、タクシーで会場に向かった。ライブハウスに長居出来ないのを見越してのことだ。昨日今日と盛り上がっているこのフェスも終盤という時間帯に着くと、ライブハウスの前の路上は沢山の人でごった返していて、知り合いの顔もちらほら見える。私も毎年のように遊びに来ていたが、客と演者の垣
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