カジノのあった場所には賃貸広告が張り出されている=モスクワ、星井写す 【モスクワ=星井麻紀】モスクワの夜を彩ったカジノのネオンが7月から一斉に消えた。カジノを社会悪として2年前に採択した賭博規制法が施行されたためだ。国内4カ所の特別区に限って新たに営業する計画だったが、経済危機で頓挫。閉店で約30万人の失業者が出たと言われ、混乱が広がっている。 「警備員以外は全員解雇された。今後どうなるのか全くわからない」。カジノが全面禁止された1日、モスクワ中心部の新アルバート通りにある有名カジノの店頭で、警備員の男性は戸惑った様子で話した。入り口には「連邦法により閉店」の張り紙。従業員約千人が解雇され、店内にあったスロットマシンなどはすべて運び出された。 ギャンブルが禁止されていた旧ソ連でのカジノ解禁は89年、ホテル内にできた外貨専用店だった。ルーブルが使える店ができたのは91年。以後、瞬く間に