川崎市内の女性(73)から市情報公開条例に基づき、教科書採択に関する会議の録音データの開示を求められた市教育委員会が、請求後間もなくデータを消去していたことが分かった。市教委は当初、データ開示を拒否。女性の異議申し立てを受けた弁護士らによる市の審査会が調査し、消去の事実を確認した。 審査会の資料などによると、女性は2014年9月24日付で、8月30日にあった市教委の会議のデータを請求。会議は公開されていたが、録音は市教委が不許可とした。市教委は約2週間前にも採択の会議を開いており、15年度用の教科書として実教出版の「高校日本史A」を望んだ市立高2校に再考を要求。30日には2校が改めて選んだ別の教科書が採択された。「日本史A」には国旗掲揚や国歌斉唱に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述がある。 開示を請求された市教委は9月30日付で、データは「会議録を作成するための手段