[Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017] 〔註:長文のため,数回にわけて掲載します〕 アメリカとヨーロッパは,政治が大変動する時代を迎えている.とはいえ,政策は大して変わっていない.この2~3年ほどで急激に様変わりしたのは,いろんな大衆運動や政治活動の原動力となる思想や公共の論議だ.ぼくがいちばんよく知っているアメリカでは,左派が新たに大きなうねりを起こしている――とりわけ目立つのが,社会主義運動の復興と社会正義運動だ.ただ,ぼくが知るかぎりでは,新しい動きでなにより大きいのはオルト右翼だ.ざっくり言えば(日が暮れるまで定義を論じ続けることもできるし,なかにはそうしたい向きがいるのもわかってる),オルト右翼がのぞんでいるのはアメリカ社会を同質にすることだ.とりわけ熱狂が見られるのは人種