ブックマーク / academist-cf.com (6)

  • 重力波天体と元素の起源 – 「キロノバ」の光に、天体観測とシミュレーションで迫る – academist Journal

    重力波天体を探せ! 2015年、アメリカの重力波望遠鏡LIGOによって「重力波」が史上初めて直接検出されました。重力波は、重力をもつ物体が激しく動くことで時空の歪みが波のように伝わる現象で、1915年にアインシュタインが作り上げた一般相対性理論により予測されたものです。予測から100年後に実現した文字どおり「世紀の検出」は、2017年のノーベル物理学賞の対象となりました。 長年にわたり、宇宙の観測は可視光や電波、X線などの「電磁波」を使って行われてきました。重力波の検出が可能になったことで、人類は宇宙を観測するまったく新しい手段を手にしたといえます。 しかし、ここで大きな問題がひとつあります。重力波望遠鏡だけでは、重力波がどこからやってきたのか、すなわち重力波を放った天体(以下、「重力波天体」とよびます)が宇宙のどこにいるのかを正確に決めることができないのです。そのため、電磁波を使って重力

    重力波天体と元素の起源 – 「キロノバ」の光に、天体観測とシミュレーションで迫る – academist Journal
    ystt
    ystt 2018/12/25
  • 「量子スピン液体」の神秘性 – 宇宙と物質のあいだにある不思議な対応関係とは

    固体なのにドロドロ? 「量子スピン液体」とはなんでしょう? この疑問に答えるためにはまず、「量子」「スピン」「液体」という3つの概念について物理学的に理解する必要があります。「液体」は皆さんご存知のとおり、水やアルコール、油といったサラサラ、もしくは、ドロドロ流れる物質です。「量子スピン液体」と物理学者が呼んでいる物質はこれらすべての液体と異なり、実は固体です。典型的な量子スピン液体の候補はたとえばハーバートスミス石と呼ばれる鉱物で、宝石のように透き通った綺麗な固体結晶として産出されます。ではなぜこのような「固体」が「液体」と呼ばれているのでしょうか? 液体と呼ばれている以上、何かがサラサラ、もしくは、ドロドロ流れているようなものでなくてはなりません。しかし、量子スピン液体の中には目で見ることのできる何かが流れているわけではありません。それどころか、顕微鏡ですら見ることができません。たとえ

    「量子スピン液体」の神秘性 – 宇宙と物質のあいだにある不思議な対応関係とは
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    ystt 2018/02/15
  • カーボンの中に金属が規則配列した触媒 – 貴金属に替わる安価な触媒開発を目指して

    奥ゆかしい材料、カーボン まず、今回の発見の鍵である「カーボン(炭素)」について説明します。みなさんがよくご存じの炭素同素体は、ダイヤモンドと黒鉛でしょう。最近は、フラーレン類、カーボンナノチューブ類も仲間に加わっています。これらの物質では基的に構造の同定が可能です。つまり、原子1個1個の位置を決めることができます。化学者にとって、これは非常に重要なことです。化学的手法により、構造の制御がやりやすいからです。 一方で、炭素同素体の別な仲間に「無定形炭素」と呼ばれる物質群が存在します。無定形、すなわち定まった形の無い炭素のことを指します。広義には、カーボンブラック、カーボンファイバー、活性炭、木炭、ガラス状炭素、ダイヤモンドライクカーボンなどが含まれます。世の中で「カーボン」として使われている材料の多くは、実はこの無定形炭素に属します。これらの材料では原子1個1個の位置を決めることができず

    カーボンの中に金属が規則配列した触媒 – 貴金属に替わる安価な触媒開発を目指して
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    ystt 2017/08/14
  • 高いトポロジカル数をもつ磁気スキルミオンを発見 – 超小型メモリデバイスの開発に向けて

    私たちの研究グループでは、物質中の電子の振る舞いを理論的に調べています。電子は、ミクロな荷電粒子であるとともに磁石としての性質を持ちます。そのため、電子の振る舞いを調べることで、物質が示す電気伝導性や磁性、あるいはその両方が関わる磁気伝導現象などを解明することができます。こうした性質に基づく電子工学(エレクトロニクス)の技術は、コンピューターデバイスに活用されるなどして、現代社会の基盤を支えてきました。機能性がさらに高い物質の開発や未知の性質の開拓は、社会に画期的な変革をもたらす可能性があるため、精力的な研究が続けられています。とりわけ、磁気スキルミオンという数学のトポロジーを用いて特徴づけられる磁気構造は、次世代の情報メモリ素子などとして応用できる可能性があるため、大きな注目を集めています。 今回の研究では、従来調べられてきたトポロジカル数1の磁気スキルミオンとは異なるトポロジカル数2の

    高いトポロジカル数をもつ磁気スキルミオンを発見 – 超小型メモリデバイスの開発に向けて
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    ystt 2017/08/09
  • マクロな「流れ」とミクロな「量子」の関係 – 曲がった空間の幾何学を用いて「流れ」を理解する

    水やコーヒーなどの私たちの身近にありふれた「流体」。これらの身近な物質の「流れ」を、現代物理学が到達した極微の視点から眺めるとどのように理解できるのでしょうか。ここでは、幾何学の言葉で「流れ」を理解するという研究について紹介します。 マクロな「流れ」とミクロな「量子」のギャップ 私たちの身近にある物質は、一見するとツルツルした表面を持つように見え、連続的な構造を持っているように感じられます。このような「連続的な記述」を用いる物理理論の最たる例が「流れ」を取り扱う流体力学です。流体力学はコップの中のコーヒーの流れや、航空機の周囲に生じる空気の流れなどの振る舞いを精密に記述します。 しかし、20世紀に入ってから現代物理学が進展することで、どのような物質も小さな要素に分解していくと、原子や分子といった不連続な「ツブツブ」でできていることがわかりました。そして、さらに小さな(ミクロな)要素に分解し

    マクロな「流れ」とミクロな「量子」の関係 – 曲がった空間の幾何学を用いて「流れ」を理解する
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    ystt 2017/07/31
  • ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生

    生物考古学の発展 縄文時代や江戸時代など、過去の人びとの暮らしや生死を明らかにする研究分野というと、多くの方々は考古学や歴史学を思い浮かべるのではないでしょうか。そうした分野に加えて、生物考古学 (bioarchaeology)という研究分野があります。遺跡から出土した人骨や動物骨の形態を調べたり、DNAを分析したり、化学分析を実施したりなど、生物学や地球化学の手法を主に利用して、当時の人びとの生死、性、健康状態、集団構造など、考古学や歴史学上の研究課題に答えようとする分野です。 生物考古学の特徴のひとつは、そのアプローチの多様さです。ほかの分野の最先端の分析手法によって得られた知見を、考古学や文献史学の情報と組み合わせることで、従来の研究よりずっと鮮やかに、多方面から、過去の人びとの生き様を復元できるようになります。 今回、私たちは、同位体分析という手法を適用することにより、江戸時代の

    ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生
    ystt
    ystt 2017/01/05
    同位体分析+形質人類学+文献史学+考古学。面白い。
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