ナチ政権下でのドイツ数学界の崩壊については、これまでも"ナチス支配下でのゲッチンゲンの数学"、"フランクフルト数学セミナーの歴史について"を紹介しました。 こういう惨状に至らしめたのは言うまでもなくナチなんですが、いつの時代でもどの国でも馬鹿共は必ず出現して繁栄し、それをまた馬鹿共が支持して世論を形成するという人間社会の構造的欠陥を今更とやかく言っても始まりません。問題は数学界にいる人々が政治的難題をどう考え、どう対応し、どう行動したかなんです。当時のドイツ数学界の状況を今から考えるとまともな人は海外移住するしか方法がなかったくらい馬鹿共が権勢を誇っていました。ヒルベルトがもう少し若くて元気であれば、もう少しソフトランディングを出来たかも知れないという非常に無責任な意見がありますが、そんな仮定上の話をしても仕方がないし、もう一人の力ではどうにもならないくらい当時のドイツ数学界は腐っていまし