サッシャ・ベッカー&ルドガー・ウイスマン「デュルケーム『自殺論』再訪 ~プロテスタント教徒はカトリック教徒よりも自殺傾向が高い?~」(2012年1月15日) ●Sascha O. Becker and Ludger Woessmann, “Religion matters, in life and death”(VOX, January 15, 2012) 宗教は、自殺という重大な決断に何らかの影響を及ぼすだろうか? 19世紀のプロイセンのデータを用いて検証したところ、プロテスタント教徒の割合が高い地区(郡)では、カトリック教徒の割合が高い地区(郡)においてよりも自殺率がずっと高い傾向にあり、プロテスタンティズムこそが自殺率を高めている原因であるとの結果が得られた。経済学的なモデル(合理的選択理論)の助けを借りれば、プロテスタンティズムがなぜ自殺率を高めることになるのかを理解する手掛かりを