「物語」と「アニメ」の関係を確認したくなり、『精霊の守り人』を観直していた。『山月記』を取り入れたアニメ流世界観設定をはじめ、たしか氷川竜介さんが仰られていたのだったか「馬鹿と悪役が出てこない」し、人々が知恵を絞り、生き抜いていこうとする生活観、実に練り込まれている。とびっきり優秀な「原作付きアニメ」だと思う。神山健治監督が制作当時を振り返って、珍しくポジティブに語っている稀有な作品でもある。精霊の守り人 SET1 〈期間限定生産〉 [DVD] 麻生我等 ジェネオン・ユニバーサル 2010-08-25 by G-Tools『精霊の守り人』は原作を大胆にアレンジしてのアニメ化だったが、質実剛健な土台を作ったのは脚本。神山健治という人は脚本へのこだわりが尋常でなく、脚本家チームを編成しての合宿、自ら執筆もするし直す。しかし、アニメの「脚本」は視聴者にとって判別しづらいところも多々あり、「脚本の