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ブックマーク / asread.info (4)

  • 労働生産性をめぐる「合成の誤謬」

    社会が個々人から成り立っている以上、たとえ一個人の行動といえども社会に何らかの影響を及ぼしていることに疑いはありません。もちろん、総理大臣でもない限り、一個人の影響力など微々たるものでしょう。しかし、個々人が集団で同じ行動をとると、事情は変わります。時には、良かれと思ってした個人の行動が、積もり積もって、社会を奈落に突き落とすことさえあるのです。稿では、そうした「個」と「全体」の微妙な関係について、労働生産性をめぐる議論を題材に考えます 木を見れば、森を見なくともよい 一般に経済学では個をミクロ、その集合である全体をマクロと称し、両者を対置させます。ただし、マクロを構成する個人(ミクロ主体といいます)をどのように想定するかに関しては、二通りの考え方があります。 先ず現代の主流派経済学(供給側の経済学)では、全ての個人は「同一の情報を有し、同一の価値観(物欲の充足)に従って合理的に行動する

    労働生産性をめぐる「合成の誤謬」
    ytn
    ytn 2017/06/02
  • 経済社会学のすゝめ - 青木泰樹 連載【第1回】

    はじめまして。今回から寄稿させていただくことになりました青木泰樹です。宜しくお願い致します。 もっぱら経済関係の話題についてお話ししたいと思いますが、その内容は世間一般の経済学者の見解とはかなり異なったものになると思います。なぜなら、私の依拠する経済社会学は、既存の経済学の枠に収まらない部分を分析対象とするものだからです。収まりきらない所にこそ現実における真理があると私は考えております。初回はその辺りの事情について説明したいと思います。 複雑な社会をどう理解するか 社会は複雑です。壁を這う蔦(ツタ)のように様々な要因が絡み合っています。それを解きほぐし、その一から社会事象を理解しようとするのが社会科学を構成する各学科(社会諸科学)です。複雑なものを最初から丸ごと理解することはできないので、複雑さの一面だけを取り出そうとしたのです。それゆえ各学科は相互に孤立した学問として出発しました。

    経済社会学のすゝめ - 青木泰樹 連載【第1回】
    ytn
    ytn 2015/09/20
    "しかし、この当たり前のことを想定している経済学説は少数です。シュンペーター、ケインズ、マルクスくらいでしょうか(アダム・スミスは別経路で経済学と社会の関連を論じましたが、それは後に触れましょう)。"
  • 「技術的失業」について ー テクノロジー崇拝が資本主義を不安定化する?

    テクノロジーが雇用を奪う? 2011年にアメリカで『機械との競争(Race Against the Machine)』というが出版され、2013年に日語にも翻訳されて少し話題になりました。情報技術をはじめとする近年のテクノロジーが、これまで人間が担っていた仕事をかつてない勢いで代替しつつあり、すでに雇用にネガティブな影響を与えていて、かつこれからも与え続けるであろうと論じた書籍です。[*1] 書の著者たちはアメリカ経済に関する基的な統計データを比較して、企業の利益やGDPが伸びているにもかかわらず雇用が落ち込んだままであることや[*2]、労働生産性とGDPの伸びが90年代までは雇用や家計所得と連動していたのに、2000年代に入ると乖離し始めて、雇用と所得は伸び悩んでいること[*3]などを示し、これらの背景には、グローバル化による賃金抑制圧力と並んで「テクノロジーによる仕事の代替」が

    「技術的失業」について ー テクノロジー崇拝が資本主義を不安定化する?
  • 「永遠の0」にとんでもない難癖をつけてしまった京都大学大学院教授

    2014年9月9日の『三橋貴明の「新」日経済新聞』に、京都大学大学院工学研究科教授の藤井聡の記事『永遠に「ゼロ」?』が掲載されました。 こう言っては失礼ですが、読んでいてあまりの低レベルに脱力してしまいました。ここまで酷いと失望するしかないのですが、脱力するだけでは疲労が蓄積されるだけですので、何とか建設的な議論を展開してみようと思います。 大ヒットしたから好きになれないという言論はいかがなものか? 藤井は、『永遠の0』について次のように述べています。 この物語がどうしても好きになれませんでした.その根的理由は,「これだけの大ヒットは,今日の日を覆う『大衆社会』の大衆人の『俗情』と結託せずして生じ得るはずなどないだろう...」というだけの安易な理由でしたが,それだけでは批判する根拠も十分でもありませんし,この物語に対して批判を差し向けると,世論,とりわけ,いわゆる「保守」陣営の方々を

    「永遠の0」にとんでもない難癖をつけてしまった京都大学大学院教授
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    ytn 2014/09/15
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