源氏物語の中の有名な場面には、あだ名が付いています。「雨夜の品定め(あまよのしなさだめ)」はその一つです。源氏物語第2帖「帚木(ははきぎ)」の前半です。 源氏は17歳になりました。近衛の中将です。妻アリ子ナシ。 少し説明します。 源氏は12歳で元服して結婚して、その後いろいろあったはずですが、そこのところはよくわかりません。最初からそこそこの地位に任命され、今はもう立派な中間管理職です。近衛というのは左と右とがある近衛府という役所です。これは天皇や宮中の警備・護衛を主な任務とする近衛兵です。で、だいたい儀仗兵か軍楽隊といった感じです。その指揮官はパレードの指揮官といった格好の良いポストで、貴族のあこがれのまとです。いちばん上の大将はほとんど年寄りがなりますが(源氏のような別格の人は若くしてなります)、その下の中将や少将は、名門の若い貴族が就きます。モテます。 源氏の妻は、元服した時