ブックマーク / honz.jp (7)

  • 薬物依存症のイメージが根底から覆されたぞ『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』 - HONZ

    『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』(みすず書房)は、アディクション(嗜癖障害)治療を専門とされる松俊彦医師によるだ。少なくとも私にとってはかなり衝撃的な内容だった。薬物依存に抱いていたイメージが大きく覆された。ほとんどの人も、読めばきっとそうなるだろう。 自伝的な語りを軸に、経験に基づいた考えが綴られていく。自ら進んだ道ではない、「左遷」かとも思えるような命令により依存症専門病院に赴任させられたことがきっかけだった。そこで出会った強面の覚せい剤依存症患者に「クスリのやめ方を教えて欲しい」と言われたことが出発点になった。 松医師の基的な考えは「覚せい剤というのはそんなに悪い薬物なのか」ということにつきる。「覚せい剤は幻覚や妄想を引き起こし、暴力事件を起こす。だから危険なのだ」という一般的な考えは、「薬物使用者を危険な精神病者としてゾンビやモンスターのように描く薬物乱用防止

    薬物依存症のイメージが根底から覆されたぞ『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』 - HONZ
  • 『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と - HONZ

    イノベーションが加速する条件とは何か? 先端テクノロジーの開花か、組織の多様性か、それともポテンシャルのある市場環境か。様々な要素が考えられるが、最も重要なのは人間離れした男たちの、人間らしい競争意識ではないかーーそんなことを痛感させられる。 書は宇宙ビジネスの最前線を描いた一冊である。数多ある類書と一線を画すのは、イーロン・マスクとジェフ・ベゾスーーこの二人にフォーカスを絞っている点だ。二人の胸のうちに肉薄し、対抗意識を物語の構造に織り込んだ。論争、訴訟、そして心理戦による駆け引き。なにより二人のアプローチが対照的なのである。 宇宙への挑戦は、革新と停滞の物語でもある。全世界を熱狂させたアポロ11号の月面着陸から約半世紀。その間、ロケット技術の進歩はほとんどなかったといっても過言ではない。21世紀初頭にロシアと米国で打ち上げられたロケットは、アポロ時代のものと大差なかったという。それだ

    『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と - HONZ
  • 九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - HONZ

    この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州のテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプラズマコア中で原子をたがいに衝突させる反応炉をつくって、当時の史上最年少で核融合の達成を成し遂げてみせた。 彼は核融合炉を作り上げるだけで止まらずに、そこで得た知見と技術を元に兵器を探知するための中性子を利用した(兵器用核分裂物資がコンテナなどの中に入っていると、中性子がその物質の核分裂反応を誘発しガンマ線が出るので、検出できる)、兵器探知装置をつくるなど、その技術を次々と世の中にために活かし始めている。書は、そんな少年のこれまでの歩みについて書かれた一冊であり、同時にそうした「少年の両親が、いかにしてのびのびと成長し、核融合炉をつくれる環境を構築してき

    九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』 - HONZ
  • 『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ

    「私はもう死んでいる」(コタール症候群)、「この足は断じて自分の足ではない」(身体完全同一性障害)、「目の前にもうひとりの自分が立っていた」(ドッペルゲンガー)──わたしたちが「自己」と呼んでいるものに歪みを生じさせるような、驚くべき症例と経験の数々。書は、それらの症例と経験を手がかりとしながら、「自己とは何か」という大問題に迫る挑戦的な一書である。 挑戦的なだけではない。書は痺れるくらいにエキサイティングでもある。書をそれほどエキサイティングにしているのは、以下のふたつの要素だ。 まずひとつは、痛ましくも興味深い症例と経験のストーリー。書は、アルツハイマー病、統合失調症、自閉症といったよく耳にする疾患だけでなく、コタール症候群、離人症性障害、ドッペルゲンガーといったあまり知られていない疾患や経験もとりあげている。そして、それらの症例や経験をドラマチックに紹介する筋立てがじつによく

    『私はすでに死んでいる──ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』 「自己」という感覚を脳はどのように構築しているのか - HONZ
  • 哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』 - HONZ

    物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか。書は、この謎に気鋭の脳神経科学者が迫った一冊だ。現代科学の最前線の知見を手がかりに、「人工知能」ならぬ「人工意識」の可能性に切り込む。「幼少期が終わり、大きな転換点を迎えている」この分野の現状をまとめ、これからを見通した非常にエキサイティングなだ。 私は近ごろ、女性を見て、オンナを意識することが少なくなった。への愛が深いからなのか、歳をとったからなのか、はたまた悪い病気でも潜んでいるのだろうか。でも書を読んで、「女性を見る」ことができるだけでも、スゴイことなんじゃないかと思うようになった。このの「意識」とは、物質にすぎない脳が「何かを見る」という感覚意識体験のことである。 「見える」「聴こえる」などの感覚意識体験、いわゆる「クオリア」。我々一般人には当たり前過ぎて、それが「意識」だという認識すらないかもしれ

    哲学と科学の間。文系がハマる脳科学本 『脳の意識 機械の意識』 - HONZ
  • 月1億8000万円稼いだ『ストリップの帝王』の栄枯盛衰 - HONZ

    文字通り「ストリップ産業の帝王」となった男の評伝だが、タイトルだけで敬遠すると損をする一冊かもしれない。 冒頭から過激だ。ストリップ劇場に刃物を持って押しかけてきたヤクザを、病院送りにするところから物語は始まる。殺人2件、殺人未遂7件のヤクザを失神させる男とはどんな男かと想像は膨らむ。ストリップという産業からしても主人公はチンピラ崩れかと思われるかもしれないが、実は元銀行員。1941年生まれの瀧口義弘は子どもの頃から腕っ節は強く成績優秀。高校は進学校に進んだが、大学への進学を拒否し、地元九州の地方銀行に就職する。 運命を変えるのは一の電話だ。瀧口の親族は銀行員や公務員など堅い職業が多いが、なぜか姉がストリッパーだったことが人生を決定づける。30歳を過ぎた頃に、劇場の経理を電話一で依頼され、子を残し、1975年に上京する。もちろん、仕事への不満もあったようだが、常人には理解しがたい決断

    月1億8000万円稼いだ『ストリップの帝王』の栄枯盛衰 - HONZ
    ytsk
    ytsk 2018/01/30
  • 『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ

    前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバタアニメは時に社会問題にからんで日でも話題に上ります。 でも今回の切り口は、風刺でもなければアニメ論でもありません。『ザ・シンプソンズ』、実は超難解「数学コメディー」だった!! というサイモン・シンならではのものです。この背景にはハーバード大などで数学の博士号を取得した「天才」たちが、研究職をなげうってまで『ザ・シンプソンズ』の脚家になったという、驚くべき事実があるのですが、なぜ、そんなことが起こってしまったのか、そもそもどんな理由

    『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ
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