これは、博士課程Advent Calendar 2014の記事です。匿名希望です。 私は、現在は完全に回復しているが、完全大血管転位症という先天性心臓病を持って生まれ、当時は実験的だった根治手術を受けて完全回復した生き残りである。私と同時期に同じ病院で同じ手術を受けた、私を含む22名の子供のうち、6名が死亡した。自分が博士課程を志望した理由の半分は、博論の謝辞に、自分と同じ心臓病を持って生まれ、実験的な手術に挑戦して失敗した子らの挑戦を記録するためである。 私が手術をした当時、完全回復できるが実験的な根治手術の他に、20代~30代まで延命でき手術成績も確かな延命手術(姑息手術)があった(この疾患は手術なしでは数歳のうちに100%死亡するので、完全回復できる根治手術を受けるのは、ほぼ10代以前の子供に限られる)。しかし、私を含む22名は、姑息手術を選ばず、失敗するリスクを承知のうえで、当時実