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ブックマーク / www.tokyoartbeat.com (6)

  • 「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)

    相次ぐ「大吉原展」への批判ここ数日、「大吉原展 江戸アメイヂング」(以下、展)がSNSを賑わせている。展は、かつて江戸/東京にあった公娼街・吉原遊廓を取り上げたもので、今年3月から東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される美術展である。展公式サイトのステートメントには「『江戸吉原』の約250年にわたる文化・芸術を美術を通して検証(改行)仕掛けられた虚構の世界を約250件の作品で紹介する」とある。 マンガ家・瀧波ユカリ氏のX(旧Twitter)では、前述のステートメントに続く序文を指して、「ここで女性たちが何をさせられていたかがこれでもかとぼやかされた序文と概要。遊園地みたい。」と非難するコメントをポスト。ここを起点にSNS上での意見対立を生んでいたようだ。 筆者の私は遊廓を専門に扱う書店・カストリ書房を経営しているが、同店は吉原遊廓が戦後に何度か看板を掛け替えて現在は吉原ソープ街

    「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)
  • 映画『怪物』はなぜ性的マイノリティを描きながら不可視化したのか。映画製作の構造的な問題を考える(文:久保豊)

    クィア・パルム賞の受賞前夜クィア・パルム賞とは、性的マイノリティやフェミニストの登場人物、また、それらに関わる事柄を描く長編・短編作品のみならず、家父長的なジェンダー規範への異議申し立てを試みる作品に与えられる賞である。 カンヌ国際映画祭の公式部門とは独立した賞として2010年に始まり、その選出の対象には、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に加えて、その他のセクション(国際批評家週間、監督週間、ある視点部門、ACID部門)に出品された作品すべてが含まれる。クィア・パルム賞の射程は広いものの、これまでの受賞作は、『BPM ビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ、2017)、『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ、2019)、『Joyland』(サイム・サディック、2022)といった、トランスジェンダー、同性愛者、同性へ性的に惹かれる人々などの経験を描く作品に与えられてきた。 そのような

    映画『怪物』はなぜ性的マイノリティを描きながら不可視化したのか。映画製作の構造的な問題を考える(文:久保豊)
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    yuchicco 2023/06/18
  • 福田美蘭インタビュー。「近代美術の父」マネから照射するゼレンスキー・日展・現代美術

    東京の練馬区立美術館で11月3日まで開催中の「日の中のマネ―出会い、120年のイメージー」展。19世紀フランスの画家エドゥアール・マネの日における受容を考察する展で新作を展開している現代美術家の福田美蘭にインタビュー。 マネ作品を解釈した新作群19世紀フランスを代表する画家で、印象派の画家たちにも大きな影響を与えたエドゥアール・マネ(1832~1883)。その日における受容を考察する展覧会「日の中のマネ―出会い、120年のイメージー」が練馬区立美術館で11月3日まで開催されている。国内にあるマネの作品と資料、彼の影響が見て取れる画家の石井柏亭や山脇信徳、安井曾太郎らの作品を通し、明治から現代までの「マネ・イメージ」を探る展に、2人の現代美術家が参加している。ひとりは、マネの代表作《オランピア》(1863)や《フォリ=ベルジェールのバー》(1882)を新たに解釈し幾つもの作品を生

    福田美蘭インタビュー。「近代美術の父」マネから照射するゼレンスキー・日展・現代美術
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    yuchicco 2023/01/25
  • 【追記あり】長野県立美術館で中谷芙二子《霧の彫刻》の無許諾撮影が判明。ファッションブランドが商業目的利用

    「見解が異なる」と中谷側は意見書公開長野県立美術館(長野市)は、野外に常設展示している美術家・中谷芙二子の作品《霧の彫刻》について「作家の意向に反した商業目的利用があった」として謝罪と対応を記した文書を2022年12月28日付でホームページに掲載した。併せて、弁護士や現代美術の専門家でつくる第三者委員会が経緯を調査した報告書を公開。それに対し、利用に異議を申し立てていた中谷側は1月16日、報告書は「当方の見解と異なる点もある」として意見書を発表した。 《霧の彫刻》(正式名《霧の彫刻#47610- Dynamic Earth Series Ⅰ-》)は、中谷が2021年に同館がリニューアルオープンした際にコミッションワークとして制作した。同館館と東山魁夷館をつなぐ「水辺テラス」に設置した装置から一日数回霧が発生し、その日の気温や風向により様々に変化。鑑賞者は気象の影響を霧を介して体感すること

    【追記あり】長野県立美術館で中谷芙二子《霧の彫刻》の無許諾撮影が判明。ファッションブランドが商業目的利用
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    yuchicco 2023/01/12
  • 東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat

    飯⼭由貴《In-Mates》《In-Mates》は、26分46秒の映像作品。作の概要として、小田原のどかによる解説を以下に引用する。 《In-Mates》は、1945年に空襲で焼失した精神病院・王⼦脳病院(東京)の⼊院患者の診療録に基づくドキュメンタリー調の映像作品だ。王⼦脳病院には、1930〜40年まで⼊院し、院内で病没した2⼈の朝鮮⼈患者の記録が残されていた。 作では、同院の診療録に記録された2⼈の朝鮮⼈患者の実際のやりとりに基づき、ラッパー・詩⼈で在⽇コリアン2.5世であるFUNIが、⾔葉とパフォーマンスによって彼らの葛藤を現代にあらわそうと試みる姿が記録されている。 また作品内では、当時の時代背景へ学びを深めるため、FUNIと飯⼭が精神医学史と歴史学のレクチャーを受ける様⼦も収められている。歴史学については、外村⼤が講師を務めた。 飯⼭はこれまでも、精神医療と⾃らの家族、障害者

    東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性|Tokyo Art Beat
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    yuchicco 2022/10/28
  • リヒターははたして「画家」なのか? キュレーターふたりに聞く「ゲルハルト・リヒター展」。桝田倫広×鈴木俊晴【前編】

    1960年代より現代アートの最前線を歩き続けてきたアーティストのゲルハルト・リヒター。その待望の大規模個展が、6月7日〜10月2日に東京国立近代美術館、10月15日〜2023年1月29日に豊田市美術館で開催される。 今回は展を担当するふたりのキュレーター、桝田倫広(東京国立近代美術館主任研究員)と鈴木俊晴(豊田市美術館学芸員)の対談を前後編でお届け! 日の美術館では16年ぶりとなる大規模個展をより深く知り、楽しむことができるよう、展のポイントやリヒターが積み重ねてきた芸術観について聞いた。前編では、リヒターの芸術の根幹にある「イメージ」の問題や、展の目玉であり近年の最重要作《ビルケナウ》を中心に、ホロコーストという主題に作家がいかにして向き合ってきたかを探る。【Tokyo Art Beat】 *後編はこちら:息子を描いた《モーリッツ》、リヒターによる展覧会の構成について語った リヒ

    リヒターははたして「画家」なのか? キュレーターふたりに聞く「ゲルハルト・リヒター展」。桝田倫広×鈴木俊晴【前編】
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    yuchicco 2022/08/25
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