一般の皆様は驚かれるかもしれないが、心理の専門家の間で、「過保護」という概念が使われることは滅多にない。 そしてそれは「親に甘えている(甘やかしている)」という言い方を心理専門家が可能な限り排除するのと、実は共通の背景がある。「甘え」という概念が専門家と一般の皆様との間でどのくらいギャップがあるかは、すでにこの記事で詳しく論じた通りである。 wikipediaの「過保護」の項は、この点についての配慮が行き届いているが、敢えて私なりの言葉で定義すれば、「過保護」とは、次のような現象に関して限定的に用いられるべき概念であると私は考える。 「養育者が、子供の欲求や願望の充足と、不快や不安や困難の低減や除去を何より優先する形で養育活動を行うこと」 つまり、この場合、親は子供の完全な僕(しもべ)という位置に近い。 実は、このような、「純粋な過保護」というべき現象は、一般に思われているよりもはるかに少
![「過保護」という概念は安易に使われすぎていまいか?(再掲) - chitoseの雑記帳](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a08fb8d17ad2cfbe60a39f2a7db054695d39a55f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fkasega.way-nifty.com%2F.shared-cocolog%2Fnifty_managed%2Fimages%2Fweb%2Fogp%2Fdefault.png)