ここで、当コラム第29回でも触れた、2009年6月の米上院「新聞の将来」に関する公聴会で、ジョン・ケリー委員長の投げかけた3つの疑問に立ち戻ってみよう。3つの疑問とは、「もし多くの新聞社が消滅し、新聞記者がいなくなったら」という前提で投げかけられたものだ。 「一般市民のブロガーたちに、権力監視や、特ダネを掘り起こしてくることはできるのか」 「ウオーターゲート事件のような、時間と資金をかけた調査報道は誰が行うのか」 「海外特派員や戦時特派員が果たしている役割は、どのようにカバーするのか」 米政府関係者が毎朝チェックするWebサイト「ドラッジ・レポート」 最初の設問に対する答えは、ほぼ出ている。無論すべてではないが、ここ10年で記憶にのこる特ダネの多くが、個人ブログ、インターネット新聞のいずれの形態をとるかは別にして、ブロガーから発信されている。 古いところでは1998年1月、ビル・クリントン