【7月5日 時事通信社】「息子に代わって全世界に謝罪しなければならない」。バングラデシュのダッカで起きた飲食店襲撃テロ事件で、射殺された実行犯6人のうちの1人の父親が米紙ニューヨーク・タイムズに対し、苦悩する胸の内を明かした。 外資系企業幹部を務める父親に警察から電話があったのは、実行犯が射殺された翌日の3日。軍病院に収容された遺体が18歳の息子かどうか確認するよう要請する内容だった。 「この状況でどうやって息子の葬式を行うことができようか。一体誰が来るというのか」と父親。ダッカでも有数の私立学校に通っていた息子は、個別授業に出席すると言い残して外出したまま、2月29日から行方不明になった。父親はダッカの警察などを回り、写真を配って息子を捜したが、見つからなかった。 息子は物静かで敬けんだったと振り返る父親は「イスラム過激主義の組織に勧誘されたのだと思う」と語る。家族は息子の変化に気が付か