国際原子力機関(IAEA)は、9月の年次総会に向けた天野之弥(ゆきや)事務局長の報告書で、北朝鮮が過去1年にわたって寧辺(ヨンビョン)の核施設でプルトニウムの抽出につながる5千キロワット級の黒鉛減速型原子炉を稼働させ続け、ウラン濃縮施設も使用した兆候があることを明らかにした。北朝鮮がミサイル開発の一方で、核物質の製造を着実に進めていることをうかがわせる。 IAEAはこれまで、北朝鮮は2015年後半に黒鉛減速型原子炉の核燃料を入れ直したとの見方をとっており、今回の報告書では過去の活動との比較から現在の稼働が今年遅くまで続く可能性があるとした。 IAEAは2009年に要員が国外退去させられ、直接北朝鮮の核活動を監視する手段を持たないが、衛星画像の分析などで蒸気や冷却水の放出が確認できたという。また、ウラン濃縮施設の隣では施設の拡充とみられる建設作業も行われていたという。 報告書は一方で、過去に
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