線引き文脈としての社会と「発達障害」ーー社会学的観点から
シロクマの物置 This is a tumblelog, kinda like a blog but with short-form, mixed-media posts with stuff I like. Scroll down a bit to start reading, or a bit more to read more about me. そもそも障害という現象は、そのような名づけがなければわれわれの前に立ち現れてこない。ある現象を「問題」ととらえ、ある状態を「障害」とみなすためには何らかの基準が必要となるが、その基準はあらかじめ客観的に存在しているのではない。それは、特定の状態を規範(norm)からの逸脱とみなし、「異常(abnormal)」なものとして規定する社会的な名付けの過程のなかで生み出されるものなのである。障害とは、まずはそのような意味で「社会的」な現象である。
自己実現欲求は階級フリーな考え方ではない――『学歴と階層』より抜粋
シロクマの物置 This is a tumblelog, kinda like a blog but with short-form, mixed-media posts with stuff I like. Scroll down a bit to start reading, or a bit more to read more about me. そもそも、「自己実現への欲求」という考え方を示したA.H.マズローは、いわば人生の達人たちの観察から、自己実現について考えるに至った、といわれる。マズロー自身の言葉を引けば、「自己実現は、ごくわずかの人にとって、比較的達成された『事態』である」。したがって、そう簡単に到達できるものでも、誰にでも手の届くところにあるものでもない。もともとは、至高の価値といえる段階に設定されていた概念である。「大多数の人にとっては、むしろ希望、あこがれ、衝動、
“消費者にとってよいことが市民にとってよいとはかぎらない”
シロクマの物置 This is a tumblelog, kinda like a blog but with short-form, mixed-media posts with stuff I like. Scroll down a bit to start reading, or a bit more to read more about me. フリードマンはおそらく、アフリカの子どもたちもニューヨークの会社役員もいっしょのコミュニティとなる、そんな世界的な村社会の出現を予測していたのだと思う。しかしそうはならなかった。いま、仮想世界における我々の隣人は現実世界の隣人と同じようになりつつあるし、現実世界の隣人は自分自身と同じようになりつつある。つなぐ資本ばかりが増え、橋渡し資本がほとんど増えない状況なのだ。これは大変な問題である。自分の身の回りや狭量な自己主義という範囲をこえる問題
テクノロジーの鈍感化効果
シロクマの物置 This is a tumblelog, kinda like a blog but with short-form, mixed-media posts with stuff I like. Scroll down a bit to start reading, or a bit more to read more about me. テクノロジーがわれわれを強めると同時に弱めてもいるそのあり方を、知性におけるカルキンの師匠、マーシャル・マクルーハンが解明している。言及される機会は少ないものの、彼の最も洞察に満ちた著作のひとつである『メディア論』には、どの部分であれ、道具によって「増幅」されたわれわれの身体部分は、最終的にはその道具によって「鈍く」されるのだとの記述がある。みずからの身体のどこかの部分を人工的に拡張すると、われわれは同時に、その増幅された部分、およびそのも
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母から子に伝えられるミーム的・環境的影響――『マザー・ネイチャー』より
