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ブックマーク / aasj.jp (6)

  • 5月2日 新型コロナウイルス肺炎というパズルのピースが集まってきた(JCI Insight オンライン掲載論文他) | AASJホームページ

    AASJホームページ > 新着情報 > 論文ウォッチ > 5月2日 新型コロナウイルス肺炎というパズルのピースが集まってきた(JCI Insight オンライン掲載論文他) マスメディアレベルでは、新型コロナ肺炎という決まった単位があって、あとはどんな薬が効くかともかく視聴者に伝えて、視聴率を稼ぐことで十分だろう。しかし、医師や研究者にとっては、共通性と特殊性が混合した個別のケースを、最終的には大きな枠の中で全部説明できるメカニズムを探り、それを標的にした治療が必要になる。そういう目で毎日の論文を見ていると、不謹慎とは思うが、ジグソーパズルや謎解きゲームのような、面白いゲームに参加しているような気持ちになる。 そこで、今回も新型コロナウイルス肺炎の重症化について、論文をサーフしながら、頭の整理をしてみた。 さて、この病気が重症化する原因として、肺を中心に様々な微小血管内の血栓形成が指摘され

  • 8月25日:うつ病は炎症?(9月5日号Neuron掲載論文) | AASJホームページ

    最近になって、あらゆる神経疾患を炎症の枠内で考え直してみることが進んでいる。基的には、神経の活動がアストロサイトなどグリア細胞と深くかかわっており、またマクロファージに相当する脳内のミクログリアの活性化によりこれらの関係が大きく変化すると考えると、神経伝達が変化することで症状が出る神経疾患も炎症の影響を受けるのは当然だと言えるだろう。 もちろんうつ病も例外ではない。2010年ぐらいから様々な炎症性サイトカインがうつ病で上昇しているという報告が相次いだ。さらに最近では、炎症を治療することですうつ病症状が改善するという報告も現れている。 このような状況を受けて、炎症という観点からうつ病を徹底的に眺めたてみようというのが今日紹介するマイアミ大学からの論文で9月5日号のNeuronに掲載された。タイトルは「Defective Inflammatory Pathways in Never-Treat

    yuiseki
    yuiseki 2019/06/13
  • 12月23日:脳障害により誘発される犯罪(米国アカデミー紀要オンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    亡くなった義理の父が小脳に軽い梗塞発作を起こした後、怒りっぽくなったと周りが気にしていた。同じようなことは多くの人が経験すると思うが、私たちの行動は全て脳の活動により決まることを考えると、当然の話だ。実際には、もっとドラマチックな症例が存在する。鉄パイプが前頭葉に突き刺さって左の腹側正中前頭前皮質(vmPFC)が大きく障害されたあと、それまでは慎しみ深い紳士的性格が一変し、粗野で凶暴な性格に変わってしまったフィネス・ゲージの症例や、扁桃体の視床下部を圧迫する脳腫瘍が発生したあと性格が変わり、ついに母親、を含む16人を射殺したチャールズ・ウィットマンの症例は脳科学のにもよく紹介されている。 今日紹介するバンダービルト大学からの論文は、これまで脳障害が犯罪を誘発したことが明らかな報告例40例をもう一度読み返し、現在進んでいる脳内各領域のネットワークと重ね合わせて犯罪につながる脳ネットワーク

  • 11月27日:うつ病は脳血管の障害?(Nature Neuroscience掲載論文) | AASJホームページ

    分子メカニズムをたどって行くと、新しい組織発生の中には外界のストレス反応と共通の分子を使っている過程が多いことがわかる。例えば、毛の発生にはEDDAと呼ばれる炎症性サイトカインTNFファミリー分子が関わり、その結果ICAM等の接着因子が誘導される。同じように哺乳動物で進化したリンパ節やパイエル板、乳腺などもそうだ。もちろん、多くの病気も最近では炎症との関わりで考えられるようになっており、動脈硬化は言うに及ばず、糖尿病でのインシュリン抵抗性も慢性炎症として捉えるようになっている。 今日紹介するニューヨーク・マウントサイナイ医大からの論文は社会ストレスで誘導されるうつ病も血管の透過性が上昇することで始まる炎症に起因する可能性を示した研究で11月号のNature Neuroscienceに掲載された。タイトルは「Social stress induces neurovascular pathol

  • 7月18日:オキシトシンの神経科学(Natureオンライン版掲載論文) | AASJホームページ

    オキシトシンが様々な社会行動にポジティブな影響を有し、一過的ではあっても自閉症の症状を和らげることはよく知られており、このホームページでも紹介してきた。たしかに連れ合いへの信頼が深まったり、人付き合いがよくなったりと、行動学的現象は面白いが、この背景にある神経活動を研究するのは難しい。今日紹介するニューヨーク大学からの論文は子供をケアする母親の行動に対するオキシトシンの作用を神経科学的に研究した力作でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「Oxytocin enables maternal behaviour by balancing cortical inhibition(オキシトシンは皮質神経の抑制活性のバランスをとることで母親としての行動を可能にしている)」だ。マウスを飼い始めると誰でも気づくが、初産の母親は子供のケアが下手だ。ケージ交換時、子供はどうしてもバラバラに移さざ

    yuiseki
    yuiseki 2016/11/20
  • 酸浴による体細胞リプログラミング(1月30日Nature誌掲載論文) | AASJホームページ

    メディアはこの話題で持ち切りだ。何人かの知り合いの記者からもコメントを求められた。自分の考えは全て自分のチャンネルを通してだけにしようと決めているので、メディアにコメントするのは全てお断りした。勿論このホームページ(HP)に書いた事を私の意見としてメディアに載せていただく事は、HPの宣伝にもなるので歓迎だ。さて、この論文については私も関係者の一人なので、まずそれを断っておく(神戸理研発生再生研究センター(CDB)に昨年まで在籍、現在も顧問)。意見にバイアスがかかるのを恐れ、これまでCDBの研究を取り挙げる事を控えていた。しかし小保方さんの論文への反響が大きいので、禁を破ってこのHPでも自分の考えを書き残す事にした。 この論文には私も思い出が深い。最初にこの話を聞いたのは仕事でイスラエルに滞在していた約1年半前の事で、メールでの依頼に応じて論文のレフェリーコメントにどう答えればいいのかなどボ

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