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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/pkcdelta (5)

  • 脳・脊髄インターフェース  ―12年もの間,下半身不随だったひとの歩行を可能とする驚異の医療!!― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    感嘆して思わず仰け反ったNature誌論文です(解説動画をご覧ください).主人公は40歳のGert-Jan Oskam氏,バイク事故による頸髄損傷により12年間にわたって下半身不随,上肢も一部麻痺になってしまいました.スイス連邦工科大学ローザンヌ校のCourtine博士は,記者会見で「我々はOskam氏の意思を捉え,その意思を脊髄への刺激に変換し,自発運動を再び獲得させることに成功した」と述べています. 博士らは2018年,脊髄の電気刺激と集中的リハビリにより,脊髄損傷患者の再歩行が可能となることを実証しました.しかしその効果は不十分であったため,さらに研究が進められました.Oskam氏が身体のさまざまな部分を動かそうとしたときに,脳のどの部分が電気信号を発するか,つまりその「意思」を解読するために,機械学習プログラムを使った観察を行いました.そしてこの人工知能の「デコーダー」により,特定

    脳・脊髄インターフェース  ―12年もの間,下半身不随だったひとの歩行を可能とする驚異の医療!!― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • なぜ加齢によりぐっすり眠れなくなるか? ―新しい認知症予防薬へ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    私は日睡眠学会の専門医ですが,父から「親の不眠も治せないのに専門医とは・・・」と言われています.私は苦笑しながら「加齢により誰もが睡眠の質は低下するので,目が覚めるのは仕方がないのですよ」と言い訳をします.事実,この「睡眠の断片化」と呼ばれる現象は,種を超えて加齢で観察されます.しかしそのメカニズムはよく分かっておりません. 今回,スタンフォード大学から,視床下部の一部の神経細胞によって生成され,覚醒のために重要な役割を果たすヒポクレチン(別名オレキシン)に注目した画期的な研究がScience誌に報告されました.ちなみにこのヒポクレチンの分泌は日内変動し,哺乳類では日中で高く(よって覚醒する),夜間に低下します(よって眠くなる).またヒポクレチンが欠損する疾患が,過眠症を呈するナルコレプシー(Ⅰ型)です. 研究チームは,若齢と老齢マウスを選び,光遺伝学的手法を用いて,老齢マウスのヒポクレ

    なぜ加齢によりぐっすり眠れなくなるか? ―新しい認知症予防薬へ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • 燃え尽き症候群を防ぐための対策と提言@第60回日本神経学会学術大会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    【朝日新聞記事を誤解しないために】 5月23日付の朝日新聞に「大学の脳神経内科医の半数が『燃え尽き症候群』?」という記事が記載された.これはシンポジウムのために順天堂大学服部信孝教授らが行った大学に勤務する脳神経内科医に対する調査における「54%」という数字が取り上げられたものである.ただタイトルが独り歩きし,誤解を招かないために以下の3点を理解する必要がある. ①「燃え尽き症候群」の学術的定義は一般の人が思っているものと異なる! 国際的に定めたれた質問表を用いた評価を行い,①情緒的消耗感(仕事を通じて力を出し尽くして消耗した状態)②脱人格化(相手に対する無情で非人間的な対応)③個人的達成感の低下のいずれかを満たすものである.燃え尽きてしまった「burned out状態」とイコールではなく,そのリスクを抱えた進行中の「burning out状態」を多く含む.だからこそ「burned ou

    燃え尽き症候群を防ぐための対策と提言@第60回日本神経学会学術大会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
  • 反復性過眠症のPSG所見 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    睡眠時無呼吸症候群は,スタンフォード大学睡眠センターのGuilleminault教授らにより,1976年「7時間睡眠中に10秒以上つづく無呼吸が30回以上見られるもの」あるいは「non-REM睡眠1時間あたり5回以上認められるもの」と定義された.私はセンターに行って彼の研究室や外来を見せていただいたことがあるが,教授は「ポリソムノグラフィー(PSG)おたく(?)」の評判通り,ひたすらPSG所見を読んでおられた.その際,研究所で私が逆に質問されたのは「日でKline-Levin症候群(KLS)を担当したことはあるか?」であった.私はひとりだけ担当した経験があると答えたが,今回,取り上げるNeurology論文を読んで合点が行った. KLSは反復性過眠症とも呼ばれる疾患であり,10歳代の男性に好発する.1週間ほど持続する過眠状態(睡眠期)がときどき生じるのだが,その時期を過ぎればまったく無症

    反復性過眠症のPSG所見 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    yuiseki
    yuiseki 2012/01/04
  • 時差ぼけにメラトニンは効くのか? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    時差ぼけはつらい。みなさん対策をいろいろ講じているものと思われるが、メラトニンを内服するという方法がある。アメリカではサプリメントとして販売されているため,ドラッグストアや空港などで容易に入手可能である。一方、ヨーロッパではニューロホルモンと考えられ,OTC(over the counter)としては販売されていない。日でも正式に認可・販売はされていないが、容易に個人輸入ができ、入手に対する規制は行われていない(このとき、天然性,動物性のメラトニンでないことを確認すべき;感染や抗原抗体反応を起すタンパクを含む可能性がある。人工・合成のものを購入する)。時差の程度にもよるが、通常は就眠前30分に1~10mg服用をする。 メラトニンは松果体において,トリプトファンからセロトニンを経て合成されるインドールアミン誘導体であるが,ヒトでは夜間上昇し,日中の約10~20倍に達する。生体リズムの調節作

    時差ぼけにメラトニンは効くのか? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    yuiseki
    yuiseki 2010/06/01
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