タグ

ブックマーク / daen.hatenablog.jp (5)

  • 不死は実現可能!?― 猫でもわかる塵理論 - 誰が得するんだよこの書評

    グレッグ・イーガン「順列都市」の解説。当然のごとくネタバレです。難解と評判な「塵理論」に挑みます。なにぶん学生なもんで、間違っている箇所が多々あるかと思います。そんなときは容赦なくコメント・トラックバックで批判してください。 長すぎて読めないという方は、8.総括だけでもどうぞ。 1.無限の意味 全ての可能な文字列。全てのはその中に含まれている。 円城塔「Self-Reference ENGINE」の冒頭部分です。実はこれ、円周率のことをさしています。円周率は、現在1兆桁を超える桁数まで計算されており、今のところ0〜9の数字がランダムに現れているように見えます。この状態がこの先の桁でも続くかどうかは分かりませんが、無限に続くランダムな数字の羅列であるとみていいでしょう。無限に続くランダムな数列は、事実上ありとあらゆる数列を含んでいることになります。例えるなら、0〜9の数字が書かれたサイコロ

    不死は実現可能!?― 猫でもわかる塵理論 - 誰が得するんだよこの書評
    yuiseki
    yuiseki 2018/04/30
  • 順列都市 / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評

    グレッグ・イーガンの「順列都市」を読んだ。凄い。ただの凄いでは収まりきらない。純粋培養した凄いという概念を正気の沙汰じゃないくらいに濃縮したような「凄い」である。控えめに言って今まで読んだ中では一番面白いSFだったし、 大げさに言うと史上最高のSFとして君臨し続けるであろう作品。 突然ですが、この世には 「人は死ぬ」 という絶対不変のルールがあります。どんなに医療が発展しても、そのうち地球は滅びる。生身の身体を放棄してサイボーグ化したり、自分の意識をコンピュータ内のソフトウェアとして走らせたりしても、無駄です。そのうち宇宙が終わってしまう。だけど、この小説では 「不死」 の可能性を、説得力ある論理で証明しました。地球が滅んでも、宇宙が終わっても、それでも生きていられる究極の「不死」を。人類が夢見て止まなかった、永遠の生命を。 なんか、ここまで聞くといかにも胡散臭いけど、宗教色やメンヘラの戯

    順列都市 / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評
    yuiseki
    yuiseki 2018/04/30
  • ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評

    文学というメタゲームへの最終兵器にして史上最も難解なSF。あるいは「火の鳥 ハードSF篇」。グレッグ・イーガンは多分この作品で文学を終わらそうとしている。「批評の終着点はどこか」では批評のメタ構造ゆえに、究極の文学・究極の批評などありえないことを論じました。しかしもし、究極の文学がありえるとしたら、それは批評のメタ構造そのものを捉え批評するような、批評というゲームをクソゲーだと気づかせてしまうようなそんな作品になるはずです。それが「ディアスポラ」です。 ストーリーはクラーク「幼年期の終わり」や小松左京「果てしきなき流れの果に」のテーマである「人間の存在は宇宙でどのような意味を持つのか」という王道を突っ走るもの。しかも既存のどんなSFよりも深く難解に。エンタメとしては限りなく終わっていますが、SFとしてはひとつの到達点を見たと評価します。舞台は30世紀で人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶

    ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評
    yuiseki
    yuiseki 2010/03/08
  • サイエンス・イマジネーション - 誰が得するんだよこの書評

    科学者がロボットや人工知能といったテーマについて語り、SF作家がそれにマジレスする(アンサーソングとして短編を書く)というこの企画。超絶面白い。とくに科学者たちの話がことごとく面白い。発想が大胆すぎて科学者の発言というよりもSFファンの与太話にしか聞こえない。どんなにすぐれたハードSFでも「まあ所詮フィクションだしな」と受け流して読んでしまうんですが、同じ内容を科学者の口から聞くと破壊力が段違いです。科学すごいよ科学。 大胆すぎる未来予想 50年(以上)未来に向けた課題 (中略) 環境・社会⇔身体⇔神経系:相互作用と秩序形成・変化の情報・物理学統合理論:統一通貨で行動・認知の全体を理解。環境激変のもとでも維持されうる人格・自己同一性とは? ・全人的コピー(脳のソフトをコピーという昔の概念ではない):人口過少、多数の自分、永遠の存在 國吉康夫(東京大学情報理工学系研究科) これだけだと何を言

    サイエンス・イマジネーション - 誰が得するんだよこの書評
    yuiseki
    yuiseki 2009/03/09
  • 虐殺器官 / 伊藤計劃 - 誰が得するんだよこの書評

    SFの夜明けは近いぜよと坂竜馬のごとく語ってしまいそうになった大傑作。9・11後の混沌とした世界をシミュレーションした格社会派SFです。現代思想にハマった軍事評論家が、理論とテクノロジーの可能性をとりいれて書き上げた渾身の近未来戦争小説っていう印象ですね。鳥肌が立つほど感動し、また知的にも揺さぶられました。クオリティが最初から最後まで全力疾走です。開始100ページ目でもう《オススメ》確定だったし、最後まで読みきった後はたとえ北半球を敵にまわしてでも絶賛しようと決意しました。 もう2007年は伊藤計劃と円城塔の年ですね。この作品と円城塔「Self-Reference ENGINE」は同率1位です。ベクトルの違う面白さがあって当に甲乙付けがたい。 SFネタとしては言語を扱っており、その点でも神林長平「言壺」と同じくらいすごかったんですが、さらに素敵なことにネタの守備範囲が広いんです。対テ

    虐殺器官 / 伊藤計劃 - 誰が得するんだよこの書評
    yuiseki
    yuiseki 2009/02/06
  • 1