「妻が、自分の死を望んでいる」(※イメージ)この記事の写真をすべて見る 「妻が、自分の死を望んでいる」。ドラマの中だけの話だと思うかもしれない。だが現実に、妻による夫の殺害事件は多数発生し、どんな家庭にもその萌芽はあり得るという。夫に「死んでほしい」と願う妻たち。怨念の裏に潜むものとは─―。 夫婦の間には、多少のいさかいやすれ違いはあって当たり前。長年の積み重ねで冷え切った夫婦関係もあるだろう。だが、それが殺意にまで膨れ上がるきっかけは何なのか。 “夫殺し”(未遂を含む)を追っていくと、時々、「本当にそんなことで?」という簡単な理由で、その一線を越える事案に出くわす。昨年3月、大阪府堺市で起きた殺人未遂事件もその一例だろう。 「ホワイトデーのお返しをくれなかった」 妻(当時43歳)が激高し、12歳年下の夫の首をネクタイで絞め上げたのは、こんなささいな理由だった。 元東京地検刑事部副部長で、