部落差別解消推進法が9日、参院本会議で可決され成立した。「部落差別」の言葉を冠した初めての法律で、国や自治体の責務として相談態勢の充実や教育・啓発、実態調査の実施を明記した。成立の背景には、インターネット上での同和地区の地名リスト掲示など新たな問題がある。 自民党は2012年12月の衆院選で政権に復帰する際、民主党政権が提案した人権委員会設置法案に反対し「個別法による人権救済」を公約に掲げた。障害者差別解消法やヘイトスピーチ対策法など、それぞれ個別法で対応してきた。 部落問題では、昨年9月の自民党総裁選で安倍晋三氏の再選を支えた二階俊博・総務会長(現幹事長)の派閥が、政策提言で「同和人権対策に関する法整備」に言及した。自民党は「差別問題に関する特命委員会」に「部落問題に関する小委員会」を設置。今年3月、自由同和会や部落解放同盟の幹部らの意見を聴き、戦前の「全国部落調査」の復刻版の出版が計画