少子高齢化が進み、国内消費が縮小する一方の日本は、「脱成長のコミュニズム」によって自らを改革するべきだと、経済思想家の斎藤幸平は説く。米「ニューヨーク・タイムズ」紙が取材した。 斎藤幸平(36)が「脱成長コミュニズム」について書こうと決心したとき、無理もないことだが、編集者は首をかしげた。コミュニズムは日本では人気がない。経済成長こそが金科玉条だ。だから、人口減少と経済停滞という日本の現状を「危機」としてではなく、「マルクス主義を再検討する機会」として捉えるべきだと説く本は、いかにも売れなさそうだった。 ところが、これが売れたのだ。2020年の刊行以来、斎藤の『人新世の「資本論」』は、著者の想像を超えて50万部以上も売り上げた。東京大学大学院で准教授を務める斎藤は、定期的にメディアに出ては自身の考えを論じている。彼のこの著書は数ヵ国語に翻訳され、英語版は2024年早々に出版されることになっ
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