Review ポピュリズム ヴァイマル共和国の教訓――分断された社会とポピュリズムとしてのナチズム April 27, 2022 政治 歴史 ポピュリズム R-2021-095 ※本稿は、2022年3月9日に開催されたウェビナー「歴史から考えるポピュリズム―戦間期ヨーロッパの経験から」で報告した内容の一部である。 「ヴァイマル状況」? 近年、ドイツのメディアでは「ヴァイマル状況(Weimarer Verhältnisse)」や「ヴァイマルの亡霊(Gespenst von Weimar)」といった見出しをよく目にするようになった。ヴァイマル共和国(1919-1933年)とは、第一次世界大戦の敗戦と革命のなかで成立し、当時世界で最も先進的な民主憲法を備えていたドイツの共和政のことである。その共和政は、世界恐慌のなか左右の反体制勢力の挟撃に合い、ナチ政権の成立によって打ち倒された[1]。つまり、
戦後を代表する憲法学者の最新講演集 リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) 作者:樋口 陽一 岩波書店 Amazon 改めて憲法に関する本が読みたいなと思い、そしてどうせならやはり定番著者の、しかも最近のものを……ということで手にとってみたのが、今回紹介する樋口陽一の岩波新書『リベラル・デモクラシーの現在』だ。 1934年生まれの樋口陽一は素人の私でも知っているくらいの代表的な憲法学者で、日本のいわゆる戦後民主主義を理論的に支えてきた人物の一人かと思う。(この辺りの歴史に詳しいわけではないのでこれから勉強します) 本書の冒頭で語られているが、著者はこれまで4冊の岩波新書を刊行している。順に『比較のなかの日本国憲法』(1979年)、『自由と国家―いま「憲法」のもつ意味』(1989年)、『憲法と国家―同時代を問う』(1999年)と、最初の3冊はそ
習近平が国際社会からの非難を承知の上で突き進むのは父・習仲勲のトラウマがあるからであり、来年の建党百周年までに香港問題を解決したいからだ。民主運動が大陸に及ぶのを避けるためなどという現実は存在しない。 ◆香港国家安全維持法の目的は外国籍裁判官の無力化 2020年6月30日に全人代常務委員会で可決された「香港維護国家安全法」は、その日の夜11時から発効し、香港で実施されることとなった。日本語的には「香港国家安全維持法」と訳すのが通例になっているので、ここでもその名称を使うこととする。 同法は大きく分けると、「国家分裂罪、国家転覆罪、テロ活動罪、外国勢力と結託し国家安全を害する罪」の4つから成り立っているが、中でも注目しなければならないのは第四十四条である。第四十四条には以下のような趣旨のことが書いてある(概要) ●香港特別行政区行政長官は、全てのレベルの裁判所の裁判官の中から、若干名の裁判官
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