私たちはなぜ睡眠不足になったのか 1942年、睡眠時間が1日6時間以下の人の割合は8%にも満たなかった。ところが2017年には、その割合がほぼ2人に1人になっている。この75年間のあいだにいったい何が起こったというのか? その理由は明らかだろう。マシュー・ウォーカーは言う。 「まず、電気のせいで夜も明るくなったことが挙げられます。光は睡眠を大幅に減らす要因です。次に、働き方の問題。仕事の始まりと終わりの境目が曖昧になってきており、通勤時間も長くなった。家族との時間や余暇の時間を削りたい人はいませんから、代わりに睡眠時間を削るわけです」 さらに、精神的な不安も関係する。 「現代人は孤独で落ち込みやすい。アルコールやカフェインもすぐに手に入る。これらはすべて睡眠の敵です」 先進国では、睡眠が、精神的な弱さや恥の意識と強く結びついていることも原因の一つだという。 「私たちは睡眠に“怠惰”というレ
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