▼フィレンツェに生まれ、世界を遍歴する▼ フランチェスコ・カルレッティは、1573/4年フィレンツェに生まれ、世界を遍歴した商人であり、 『世界周遊記』なるものを世に残している。 彼は、1594年から1602年までの8年間でもって、西回りで、世界を一周する。スペインから出 発して、アフリカのカポ・ヴェルデ、南アメリカのカルタへーナ、パナマ、リマ、メキシコを経由し て、アジアのフィリピンに行き、フィリピンから長崎、マカオ、マラッカ、ゴアをめぐる。ゴアからリス ボンに向かうが、その帰国船が大西洋上のセント・ヘレナ島で、オランダ船に拿捕され、無一 文(!?)となる。 その後、1605年メディチ家のトスカーナ大公フェルディナンド1世(在位1587-1609)の要請を受 けて、フィレンツェに帰る。そのフェルディナンド1世に自らの旅行の体験を物語ることとなる。 その内容が1609年