中盤の高い構成力で試合の主導権を握ったスペインだが、最後までイタリアからゴールを奪うことができなかった【REUTERS】 前半終了、後半終了の笛がなると、観客は一斉に選手に向かってブーイングを浴びせた。典型的なバランス・ゲーム。イタリアの引いた守備に、スペインのボール回しは中盤より先に進まない。30度という気温のせいか、グループリーグの疲労が残っているのか、ラテンの妙技の応酬は見られなかった。 こうなると我慢比べのはずだが、スペインのアラゴネス監督はこう着状態を打開しようとしたのか、59分と60分、大胆にイニエスタとシャビを下げ、セスク・ファブレガスとカソルラを投入した。ところが、この交代の後からイタリアがビッグチャンスを作った。バランス・ゲームは、動きのある試合へとキャラクターを変えるかと思われたが、試合はお互いバランスを保ったまま。守備の強いイタリアと、中盤の構成力の高いスペインの特